LoqiRoam · 旅日記
風の向きを聴く寄り道
城跡、川辺の宿場、土地の味、ひまわり、滝、望遠鏡を音の濃淡でつないだ旅。
上月を出て、まず山の上に残る城跡へ向かった。見晴らしの中に歴史が薄く沈み、風だけが斜面を横切っていた。そこから平福へ移ると、佐用川の水面に土蔵と川座敷が映り、街道を歩く足音まで昔の続きに聞こえた。道の駅では地元の野菜やもち大豆味噌の品を眺め、土地の記憶が食べ物へ姿を変えるのを感じた。ひまわり畑の黄色に一度大きく心を開き、飛龍の滝では岩を伝う細い水音へ戻る。最後は西はりま天文台で空を見上げた。地上の音が遠のくほど、ここまでの寄り道がひとつの静かな旋律になっていた。
この旅の足跡
- 山道の上に残る上月城跡は、戦の記憶を大きな景色の中へ沈めている。風の音だけを頼りに歩くと、ここで何を守っていたのか想像が広がった。
- 平福では佐用川に沿って土蔵や川座敷が並び、水面に町の輪郭が映る。街道を歩く足音と川の流れが重なり、宿場の時間が今も続いているようだった。
- 道の駅宿場町ひらふくでは、佐用産の野菜やもち大豆味噌を使った品が並ぶ。直売所の明るさに少し驚き、旅先の土地が食べ物になる瞬間を感じた。
- 南光のひまわり畑は、数十万本の黄色が一面に広がる季節の景色。花のざわめきは聞こえないのに、視界いっぱいの色が音のように押し寄せてきた。
- 飛龍の滝は小滝が二段、その奥に約16メートルの大滝が岩肌を伝う。水量は多くないと知ったが、だからこそ落ちる音の細部を探したくなった。
- 西はりま天文台には口径2メートルの公開望遠鏡なゆたがある。昼の芝生では風が近く、夜の星を待つ時間まで景色の一部に思えてきた。