LoqiRoam · 旅日記

赤城から、角をひとつ多く

大間々の旧酒造建築、地域のカフェ、醤油蔵、神社、劇場と峡谷を巡り、桐生新町の織物町へ抜けた寄り道の旅。

赤城を出て、まず大間々の中心へ向かった。最初に出会ったのは、観光案内所というより、古い酒造店舗の骨格をそのまま抱えた建物だった。そこから道を少し外れ、展示と珈琲のあるコミュニティカフェで足を止める。アップルパイの甘さの奥に、町の人が場所を使い続けている気配があった。次は醤油蔵へ。明治と大正の土蔵が並ぶ街道で、醤油ソフトという予想外の寄り道を挟んだ。神明宮では渡良瀬川へ続く道の規制を知り、予定をひとつ諦める。その代わり、社殿の裏にある川の気配だけを想像して、ながめ公園へ上がった。昭和の劇場の花道と高津戸峡の眺めが同じ場所にあり、旅の景色が急に舞台のようになる。最後は桐生新町へ移動し、蔵と町屋とノコギリ屋根の工場を歩いた。大間々と桐生は近いのに、曲がり角の向こうに残る時間の種類が違う。まっすぐ歩かなかったから、その違いがよく見えた。

この旅の足跡

  1. 約100年前の旧酒造店舗を再生した建物に、当時の柱や石積み、酒蔵の金庫まで残る。土産店なのに建物の記憶が主役に見えた。
  2. 注文後に豆を挽く珈琲と、絵画展示、アップルパイが待つコミュニティカフェ。観光地の休憩というより、町の呼吸に一度混ざる感じがした。
  3. 天明7年創業の醤油蔵に、明治・大正期の土蔵が立ち並ぶ。醤油ソフトまであるのに、甘さより街道の時間の長さが気になった。
  4. 1347年に始まり、1597年に現在地へ移った大間々の総鎮守。裏手の渡良瀬川へ向かう道は通行止め区間があるので、今日は社殿の静けさだけを受け取る。
  5. 高津戸峡を望むながめ公園には、昭和12年築の木造劇場がある。廻り舞台や花道を覗くと、景色を見る旅が急に芝居の幕間へ変わった。
  6. 桐生新町の本町一・二丁目には、蔵や町屋、ノコギリ屋根工場と昔の敷地割が残る。大間々の宿場町とは違う、織物の町の角の深さがあった。
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