LoqiRoam · 旅日記
曲がり角に任せた幸田の午後
幸田駅から文化公園、郷土資料館、本光寺、農園、陣屋跡、筆柿の里へ回り、町の季節・歴史・食を曲がり角ごとに拾った旅。
幸田駅を出たとき、行き先は決めなかった。まず南西へ曲がり、桜の季節を待つ文化公園で空の広さを見た。そこから郷土資料館へ進むと、歩いてきた道が単なる生活道路ではなく、記憶の上に重なった道に思えてくる。本光寺では山門と境内の静けさに足を止め、花の季節でなくても寺の時間はゆっくり流れていると感じた。次は大草の農園へ向かい、野菜や果物の並ぶ棚で町の現在へ戻る。さらに坂崎の八百富社まで北へ回ると、陣屋跡という言葉から住宅地の角にまで昔の輪郭を想像してしまった。最後は筆柿の里へ。樹園地に囲まれた道の駅で、歩き回った一日を果実の気配に預けた。まっすぐ進まなかったからこそ、幸田は公園、記憶、寺、畑、陣屋、産地の順に姿を変えてくれた。
この旅の足跡
- 駅を出て南西へ曲がると、幸田文化公園は桜のための広場というより、町の人が季節を待つ余白に見えた。今日は花のない時期でも、枝の形を眺めてしまう。
- 郷土資料館は深溝の清水にあり、10時から17時まで開館する。展示を見たあと、さっきの道にも昔から人の往来があったのかと、急に気になってきた。
- 本光寺は三ヶ根駅から東へ約300メートル。あじさい寺として知られ、山門と参道の構えが残る。花の季節でなくても、境内の静けさが道の続きを作っていた。
- 幸田憩の農園は大草にあり、9時から18時まで営業している。野菜や果物の並びを見ると、町の景色が急に食べものの話を始めたようで面白い。
- 坂崎の八百富社は大久保彦左衛門の陣屋跡とされる。社殿だけを見に来たはずが、陣屋の輪郭を想像すると、住宅地の角まで少し古く見えてくる。
- 筆柿の里・幸田は筆柿の樹園地に囲まれ、売店は9時から18時、直売所は17時まで。最後に果実の産地へ着くと、今日の遠回りが町の味にまとまった。