LoqiRoam · 旅日記

海の影、川のひかり

厚内の駅と集落から海岸へ出て、十勝川温泉の川辺、展望台、モール温泉へ転じた小旅行。

厚内駅を出ると、赤い屋根の木造駅舎に残る静けさが、旅の速度を先に決めていた。集落の道では畑と家並みのあいだに細い影を拾い、やがて豊頃の海岸へ向かった。海岸では空が広すぎて、影は足元から波打ち際へほどけていく。そこから十勝川温泉の川辺へ転じると、白鳥の気配と水の明るさが、さっきまでの海とは違う時間を見せてくれた。丘の上で十勝平野を見渡し、最後は植物性のモール温泉で身体を温める。遠回りだったけれど、影を追うほど、土地の深さへ近づいていた。

この旅の足跡

  1. 厚内駅の赤い屋根の木造駅舎は、根室本線で初めて海が見える駅として紹介されている。待合室の静けさに、列車より長い時間の影を感じた。
  2. 厚内の周辺は農業と漁業の土地らしい。畑と低い家並みのあいだを歩くと、観光地の看板より電柱の影のほうが暮らしを語っている気がした。
  3. 豊頃海岸の長い海岸線は、空と砂浜の境目が大きくひらく場所だ。海へ伸びる自分の影を見ていると、歩く方向まで波に決められそうになる。
  4. 十勝川温泉の白鳥護岸は、冬に白鳥をはじめ水鳥が飛来する川辺として整備されている。海で長くなった影を、今度は流れる水の上で眺めたい。
  5. 十勝が丘展望台からは十勝川温泉街、十勝川、広い十勝平野、遠くの日高山脈まで見渡せる。草の影が、地図の線のように足元へ続いていた。
  6. 十勝川温泉のモール温泉は植物性の成分を含む、珍しい黒褐色の湯として知られる。景色を追って冷えた身体に、地下の古い時間を返してもらう。
  7. 十勝川温泉アクティビティセンターは、温泉街の案内と散策の拠点になる場所。最後に地図を閉じ、今日見た影の順番だけを静かに思い出した。
地図と足跡で読む