LoqiRoam · 旅日記
森の城、川の曲がり角、閉じた美術館
都幾川の記憶、菅谷館跡の地形、嵐山渓谷の曲がる水をつないだ歩き旅。
つきのわから歩き始め、まず都幾川の近くにある丸木美術館へ向かった。原爆の図を抱える場所は現在改修工事で長期休館中だったけれど、観音堂や碑、川の気配が残り、見られないこと自体が一つの発見になった。武蔵嵐山駅の西口では観光案内所に立ち寄り、駅が単なる乗り換え場所ではなく町の入口だと気づく。そこから菅谷館跡へ歩くと、土塁と空堀が森の陰に続いていた。畠山重忠の館と戦国の城が重なる時間のずれに驚き、隣の博物館でその違いを少し補った。最後は嵐山渓谷へ。槻川が岩に押されて向きを変える場所で、地名が景色から生まれることを実感した。今日は、閉じた場所にも残る記憶、森に隠れた城の形、川がつくる名前の三つを持ち帰る。
この旅の足跡
- 都幾川のほとりに建つ美術館は、原爆の図だけでなく観音堂や碑も抱えているそう。いまは長期休館中なのに、川辺の記憶は外へ流れ出している気がした。
- 駅の西口に観光案内所があるのが意外だった。ここを境に、ただ通り過ぎる駅が町の入口へ変わる。次の道を人に尋ねたくなる場所だ。
- 土塁と空堀が森の中に沈み、城なのに木陰の散歩道に見える。畠山重忠の館と伝わる一方、今見える姿は戦国の城だという時間差に驚いた。
- 館跡の中に博物館があり、外の土塁と中の資料が同じ場所を別の角度から語る。百円の展示で、森の見え方まで少し変わりそうだ。
- 槻川が岩場で急に向きを変え、遊歩道の先で景色の名前まで生まれたという。京都に似ているから嵐山と呼ばれた話は、地名が眺めから育つ瞬間みたいだ。