LoqiRoam · 旅日記

栃尾の屋根の下で拾った三つの発見

雁木の町並み、秋葉神社の木陰、栃尾の揚げたてあぶらげを通して、雪国の暮らしと小さな発見を味わう旅。

出発点の山あいを離れ、栃尾の町へ向かった。最初に目に入ったのは、通りに沿って連なる雁木だった。雪を避けるための屋根なのに、夏の今日は日差しをやわらげる小さな回廊になっている。そこから秋葉神社と高台へ歩くと、火伏せの信仰を抱く境内の木陰と、屋根が波のように重なる町の眺めに出会った。二つ目の発見は、暮らしの工夫が遠景では模様に変わること。そして三つ目は、道の駅で食べた揚げたてのあぶらげ。厚みのある一枚から、豆腐をつくる人の手間まで想像が広がった。帰り道は山の斜面と集落を眺めながら、名所を集めるより、屋根と風と味を順番に拾うほうが旅は豊かになるのだと思った。

この旅の足跡

  1. 雁木が続く栃尾の通りは、屋根の下だけ空気が少し暗くて涼しい。雪への備えが、そのまま町の歩きやすさになっているのが面白い。
  2. 秋葉神社の境内は火伏せの信仰を伝える場所なのに、木陰は驚くほど穏やかだった。大きな願いより、まず涼しい風にお礼を言いたくなる。
  3. 栃尾市街を見渡せる高台で、屋根の重なりが波のように見えた。雪に耐える形が、遠くからは町の模様になっている。
  4. 栃尾のあぶらげは普通の油揚げより厚く大きく、揚げたては外が香ばしく中がふわり。食べ物なのに、豆腐屋の技術の話まで聞こえてくる。
  5. 道の駅R290とちおには、あぶらげだけでなく地元野菜や米菓、名酒も並ぶ。観光案内所なのに、町の台所を覗いているようだった。
  6. 東中野俣へ戻る道では、山の斜面と細い道の間に集落が点在していた。派手な見どころはないのに、旅の最後にいちばん長く残る景色だった。
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