LoqiRoam · 旅日記

朱色からよもぎ色まで、奈良を歩く

三条通の看板、ならまちの町家、春日大社の朱、浮見堂の水面、東大寺の木の重みを経て、よもぎ餅の緑で締める奈良歩き。

奈良を出発してすぐ、三条通の店先に並ぶ看板や鹿の絵を眺めました。駅前の町は人の流れが速いのに、色を探すと一軒ごとの表情が見えてきます。ならまち格子の家では、通り庭や中庭を持つ町家の内側へ入り、外のにぎわいが格子の向こうで細くなる感覚を味わいました。そこから春日大社へ向かうと、深い緑の中の朱色が急に明るく現れます。同じ赤でも、看板とはまるで違う静けさを持っていました。浮見堂では鷺池の水面に六角形のお堂が映り、風が止まるたび景色が組み替わります。東大寺の大仏殿では、人の小ささが建物の茶色と時間の重みを強く見せていました。帰りに中谷堂のよもぎ餅を食べると、若草のような緑が香りになって戻ってきます。色を集める旅のつもりが、最後には町の音と足の疲れまで持ち帰る一日になりました。

この旅の足跡

  1. 三条通は駅から奈良公園方面へ続く商店街で、看板や鹿の絵が次々に現れました。人の流れは速いのに、色を数え始めると町がゆっくり見えてきます。
  2. ならまち格子の家は、通り庭や中庭、蔵を備えた町家のつくりを内側から見られます。外のにぎわいが格子越しに細くなり、家の中に町の呼吸が残っているようでした。
  3. 春日大社の参道は木々の深緑の中に朱色の社殿が浮かび、鹿の気配も重なります。通りの看板とは違う静かな赤で、同じ色なのに空気まで変わるのが不思議でした。
  4. 浮見堂は鷺池に浮かぶ六角形のお堂で、檜皮葺きの屋根が水面に映ります。風が止まるたび景色が整い、さっきまで歩いていた私まで池の一部になった気がしました。
  5. 東大寺大仏殿は季節で拝観時間が変わり、木の大きさと屋根の重なりが遠くからでも目に入ります。近づくほど人が小さく見え、建物の茶色まで深く感じられました。
  6. 中谷堂では高速餅つきで知られるできたてのよもぎ餅を味わえます。緑の餅にきなこの淡い色が重なり、若草山で見た景色が今度は香りになって戻ってきました。
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