LoqiRoam · 旅日記
橋の向こうで文字を拾う
本明川から商店街、移設された眼鏡橋、古社と駅近の店をつないだ散歩。
肥前長田を出ると、まず本明川の広がりへ向かった。約一キロの桜づつみは、花だけを目的にしなくても、堤防の線と川の曲がり方が歩く方角をつくってくれる。そこからアエル通りへ入ると、屋根の下に店の看板が連なり、水辺とは違う町の呼吸が聞こえた。にぎわいの先で出会った眼鏡橋は、1839年に架けられたあと水害を越えて公園へ移された橋だった。場所を変えて残る橋を見ていると、旅もまた、元の道順から少し外れることで意味が増すのだと思う。隣の高城神社では城跡の緑に声を落とし、さらに諫早神社のクスノキの下で、町の時間が看板よりずっと長いことに気づいた。最後は駅近くの小さな店で休み、今日拾った文字と川の光を静かに持ち帰る。
この旅の足跡
- 本明川沿いに約1キロ続く桜づつみは、桜が約450本もある市民の憩いの道。花の季節でなくても、川面と堤防の長さが歩く方向を教えてくれるのが面白い。
- 栄町・ほんまち・竹の下がつながる約600メートルのアエル通り。屋根の下に店の看板が連なり、同じ通りなのに文字の勢いが少しずつ変わる。どこで景色が切り替わるのだろう。
- 諫早眼鏡橋は1839年に本明川へ架けられ、1957年の水害後に諫早公園へ移された。橋が場所を変えて残るという事実に、石の強さだけでなく町の判断の重さも感じた。
- 眼鏡橋のすぐ隣にある高城神社は、諫早家初代の龍造寺家晴を祀る。城跡の緑と神社の境内が近接し、看板の多い通りから急に声量が下がる感じがした。
- 諫早神社は728年創建と伝わる「おしめんさん」で、本明川の四面橋近くには指定されたクスノキの大木が6本ある。古社の説明より先に、樹冠の大きさが境内の時間を語っていた。
- 諫早駅から徒歩1分のCAFE & BAR Day-Gは、アーティストの作品が並ぶ店。歩き終わりに入るなら、土地の名物を急いで消費するより、知らない作品と飲み物の組み合わせを試したくなる。