LoqiRoam · 旅日記
影の向きが変わる佐世保
三川内の器から佐世保の街、港、九十九島の高台へ。人工物と自然が作る影の変化を追った。
早岐を出て、まず三川内の器に落ちる細い影を見た。手仕事の町では、模様そのものより、白磁の曲面が光を受け止める角度が気になった。そこから佐世保の中心へ移り、島瀬美術センターの静かな展示室と、四ヶ町アーケードのにぎわいを続けて歩いた。室内の影と店先の影はまるで違うのに、どちらにも人の時間が積もっている。港へ出ると線は水面にほどけ、九十九島パールシーリゾートでは波紋の中の影へ視線が沈んだ。最後は石岳と弓張岳の高台へ。島、雲、街の影が重なり、出発点から遠く離れたはずなのに、旅の始まりが静かに戻ってきた。
この旅の足跡
- 早岐から少し離れた三川内では、白磁の器に細い影が落ちる。伝統の町なのに、見ているのは模様より光の止まり方だった。
- 島瀬美術センターは10時から18時まで開いている。展示室の白い壁を歩くと、作品の影まで展示の一部に見えて、足がゆっくりになった。
- 四ヶ町のアーケードは空を細く切り取り、店先の看板の影を長くする。佐世保バーガーを待つ時間まで、通りの断面を眺めていた。
- 佐世保港では、建物の影が水面でほどけていた。港町の歴史を調べたあとに見ると、岸壁の直線さえ少し古い記憶に見える。
- 海きららの水槽では、光が波紋になって魚の影を揺らす。九十九島の遊覧船も運航される場所で、島そのものより島影に惹かれた。
- 石岳の展望台では、九十九島が近すぎず遠すぎず重なっていた。島の輪郭に落ちる雲の影を追ううち、景色が呼吸しているように感じた。
- 弓張岳展望台からは佐世保の街と港、九十九島を一度に見渡せる。夕方、街の影が海へ伸びていく順番が静かにわかった。