LoqiRoam · 旅日記
海の明るさを追って
恋し浜の駅から湾、食堂、山の湯へ移り、海の光が場所ごとに変わる一日を歩いた。
恋し浜駅では、海を見る前にホタテ貝の白さを見た。待合室に重なる絵馬と、ホームの鐘。願いの形が先にあり、その下へ歩くとホタテデッキから本物の海が開いた。駅の記号が暮らしの水面へほどけていく。越喜来湾を見下ろす道では、山の影が海を細かく分けていた。同じ青でも、湾の奥と手前で明るさが違う。カフェ・ビアンのテラスでは、食事の湯気越しにその変化を眺めた。そこから三陸駅へ移り、秀っこねぇの海藻料理で、海の緑を別の形に受け取る。最後は夏虫山側の湯へ。海から離れたのに、水はまだ光を抱えていた。寄り道のたび、景色は遠くなるのでなく、別の温度になった。
この旅の足跡
- 恋し浜駅の待合室にはホタテ貝の絵馬が重なり、ホームには幸せの鐘がある。海より先に、願いの白さが目に残った。
- 駅の下にある恋し浜ホタテデッキは、海へ向かって伸びる細い場所。貝の記号から水面の実景へ、光が急に大きくなった。
- 越喜来湾を見下ろす道では、海と山が近すぎて水平線が一枚に収まらない。明るい湾の奥に、地形の影が幾重にも沈んでいた。
- カフェ・ビアンは越喜来湾を望むテラスが特徴。食事の湯気と遠い海の明るさが同じ視界にあり、休むことも観察になった。
- 三陸駅前の食事処秀っこねぇは、昼は11時30分から13時30分、夜は居酒屋になる。駅の近くに町の時間が折り畳まれている。
- 秀っこねぇではワカメやメカブなどの海藻を使ったかき揚げうどんが紹介されている。海の緑を、今度は湯気の中で見つけた。
- 夏虫のお湯っこは夏虫山側にあり、源流の水と山の風景を楽しめる。海の反射を追ってきた目が、最後に湯気の白へほどけた。