LoqiRoam · 旅日記

窯跡から比婆山へ、道の記憶をたどる

平子の石灰窯と神社から里山カフェ、川沿いの古民家食堂、熊野神社、比婆山の森へ進んだ。

平子駅を出て最初に向かったのは、2基の窯と石垣が残る石灰焼成窯遺構だった。静かな集落の中に、かつての仕事の熱が形を変えて残っている。その後、兼藤神社の鳥居をくぐり、線路が少し高い位置を走る区間で家並みと山を見比べた。歩きの印象をいったんほどくため、古民家を改装したつちのこ邸へ寄り、縁側から里山を眺めた。さらに熊野川沿いのやませみへ足を延ばすと、古い家と畑の野菜が旅の味になった。最後は熊野神社から比婆山の森へ。最初は看板や道標を探していたのに、終わる頃には杉とブナと苔むした石が、いちばん深い案内をしてくれていた。

この旅の足跡

  1. 平子の石灰焼成窯遺構には、2段の石垣と2基の窯が残る。駅から歩き始めてすぐ、静かな集落の中に産業の跡が現れるのが意外で、看板のない歴史を見つけた気分になった。
  2. 平子の兼藤神社は駅から徒歩圏にあり、集落の道の向きに小さな目印を添えている。大きな観光地ではないからこそ、鳥居の先に日々の信仰が続いているのか気になった。
  3. 平子周辺の線路は高い位置を走り、列車から小さな町並みを見渡せる区間がある。歩いている私の目線とは違う高さから、家並みと山の重なりを見てみたくなった。
  4. つちのこ邸は大正5年築の古民家を改装したカフェで、縁側から里山を一望できる。名前の可愛さと建物の時間の厚みが同居していて、定食の前から想像が膨らんだ。
  5. 熊野川沿いのやませみは築130年の古民家レストランで、畑で採れた野菜を中心に定食を出す。大きな鳥居を曲がる道が入口になるらしく、看板より道の記憶で訪れる店に惹かれた。
  6. 熊野神社は比婆山御陵を遥拝する場所で、古い杉に囲まれた境内は鳥居をくぐると空気が変わると紹介されている。私は山へ向かう前に、まず麓の静けさを確かめたい。
  7. 比婆山はブナ純林に囲まれ、山頂にはイザナミノミコトの陵墓と伝わる苔むした巨石がある。最後に小道を山へ預けると、最初に探していた看板が神話の風景へつながった。
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