LoqiRoam · 旅日記
砂州を渡り、町へ戻る
小天橋の砂州から展望台、道の駅、かぶと山、商家、古社へ進み、海の景色を町の記憶へつなぐ旅。
小天橋を出ると、海岸は思っていた以上に長く、白砂の先に久美浜湾が近く寄り添っていた。波の音だけを追うつもりが、大向展望台へ向かう途中で千石船の模型の話を知り、景色の背後にある往来へ意識が移った。道の駅では果物や野菜が並び、海辺の旅が農の時間にもつながっていることを感じた。そこからかぶと山へ上がる。少し息の切れる道の先で湾と砂州を見下ろすと、歩いてきた距離が地形の一部に戻っていった。久美浜の町では、海運で栄えた商家の邸宅に立ち寄り、最後は国見の剣を祀る神谷太刀宮へ向かった。大きな景色のあとに残ったのは、旅人を送り出し、また迎える土地の静かな仕草だった。
この旅の足跡
- 白砂の浜が東へ長く伸び、背後には久美浜湾が近い。海水浴場の顔を持ちながら、今日は波音の間に海浜植物の気配を探した。
- 湊小橋から十分ほど登る大向展望台。途中の広峰神社には千石船の模型があるという。海を見に来て、船の記憶に出会う順序が意外だった。
- 久美浜湾を望む高台の道の駅は、8時から17時まで開いている。野菜や果物の売り場を眺め、海の旅が農の風景にも続いていると気づいた。
- 標高191.7メートルのかぶと山へは、園地から山頂まで徒歩約30分。杉材の展望台から湾と小天橋を見下ろすと、砂州が一枚の地図に見えた。
- 豪商稲葉本家は、糀屋と海運で栄えた稲葉家の邸宅として残る。静かな座敷を想像すると、久美浜の湾が交易の入口だったことが急に近くなった。
- 久美浜駅から徒歩3分ほどの神谷太刀宮には、国見の剣にまつわる由緒が伝わる。旅立ちの地で、帰路の無事を静かに整えるような場所だった。