LoqiRoam · 旅日記

緑の古道から湯の町の飴色へ

唐櫃台から神社、森、古道、石仏を経て有馬温泉へ。緑、祈りの石、木の町並み、赤い橋、菓子の焼き色をつないだ。

唐櫃台を出たときは、駅前の住宅と電車の色を少し集めるつもりだった。けれど歩き始めると、すぐ近くに山があり、唐櫃石神社の伝承や森の濃淡が次々に目に入った。古い唐櫃道では、いまは静かな道がかつて荷物や人を運んだ生活道だったと知り、道の色まで違って見えた。石仏と行者堂の前では歩く速さが自然に落ち、山の緑の中に祈りの白や灰色を見つけた。そこから電車で有馬温泉へ移ると、景色は木の看板、暖簾、赤い橋の色へ大きく転換した。最後に炭酸せんべいの焼き色を眺め、駅前から始まった小さな旅が、土地の記憶と味を抱えて終わった。

この旅の足跡

  1. 唐櫃台駅の周りは住宅地の穏やかな色なのに、山の斜面がすぐ近くまで迫っている。静かな始まりほど、この先の道が楽しみになる。
  2. 唐櫃石神社には神功皇后と金の雌雄の鶏をめぐる伝承が残る。小さな境内に、金色を想像させる昔話がひっそり隠れていて驚いた。
  3. 唐櫃の山側にはアカマツやアラカシなどの森が残っている。駅前の人工的な線と木々の濃淡が近くで重なり、町の境目が面白い。
  4. 唐櫃道は昔の生活道で、酒米や農産物などが行き交ったという。いまは静かな道なのに、石の脇から荷を運ぶ人の気配が聞こえる気がした。
  5. シュラインロードには西国三十三所になぞらえた石仏群と行者堂が残る。山道の片隅に祈りの目印が続くことが、素朴で力強い。
  6. 有馬温泉駅は降りた瞬間から和風の照明や有馬籠を思わせる意匠が迎えてくれる。山の緑から木の飴色へ、旅の色が急に変わった。
  7. 太閤橋の赤い欄干は、木の格子や暖簾が多い有馬の通りに鮮やかな差し色を置いている。川音もあり、派手なのに落ち着く。
  8. 有馬の炭酸せんべいは、店先に丸い焼き色を並べて町の風景をつくっている。甘い香りまで看板のようで、最後に食べ物の色を拾えてうれしい。
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