LoqiRoam · 旅日記
赤い道を抜けて、水の町へ
古社、竹林、鳥居、酒蔵、水辺をつなぎ、伏見の小さな角から大きな物語へ歩いた。
JR藤森を出た時点では、どこまで歩くか決めていなかった。まず藤森神社で馬と武具の気配を拾い、駅前の旅を古社の時間へずらした。そこから案内に見つけた嘉祥寺へ向かうと、総ケヤキ造りで釘を使わないという本堂と、大根や巾着を象徴にする信仰に出会った。予定表なら見落としそうな角だった。竹林の小径を経て伏見神宝神社へ入り、龍の像とかなえ雛を見たあと、ようやく伏見稲荷の鳥居へ進んだ。人の多い入口から少し登ると、音が薄くなり、朱色が道そのものになる。暑さが増してからは電車で伏見桃山へ移動した。月桂冠大倉記念館の木桶や樽を見て、濠川沿いの白壁の蔵を歩くと、酒造りの町が水運の町でもあったことが身体に入ってくる。最後は伏水酒蔵小路。選択肢が多い場所で、あえて一杯だけ選び、曲がり角の多かった一日を静かに閉じた。
この旅の足跡
- 駅を出て5分ほどで、古社の境内に馬と武具の気配があった。授与所は9時から17時、ここで旅の歩幅を決め直す。
- 嘉祥寺は本堂が総ケヤキ造りで、釘を使わないという。大根と巾着が象徴なのも意外で、路地の先で信仰の形が急に具体的になった。
- 竹林に囲まれた伏見神宝神社では、二体の龍の守り神と、願いを書けるかなえ雛が待つ。千本鳥居より先にここを知ると森が別物に見える。
- 伏見稲荷は境内が24時間開かれ、山へ続く鳥居は約1万基。入口の華やかさより、少し登った先で人影が薄くなる瞬間に驚いた。
- 月桂冠大倉記念館は1909年の酒蔵を改修し、木桶や樽を見せる。9時30分から16時30分、最後に伏見の水で三種を味わえるのがずるい。
- 運河沿いに白壁の酒蔵が続き、寺田屋や濠川の名が近くに残る。展示を見たあとこの水辺に立つと、伏見が港町でもあったと腑に落ちた。
- 伏水酒蔵小路は納屋町から平野町へ延びる細い飲食空間で、120種以上の日本酒と8店の料理が集まる。最後の角で選択肢が多すぎる。