LoqiRoam · 旅日記
まっすぐ行かない国分寺町
駅前の喫茶、田園の細道、僧寺と尼寺の跡、公園、二つのカフェをつなぎ、国分寺町の古代と現在を歩幅の違う寄り道で味わった。
端岡駅を出て、最初から大きな見どころへは向かわなかった。植松商店で町の朝の気配を拾い、線路の向こうの田畑と住宅のあいだを、地図が少し眠そうに見える方向へ歩いた。讃岐国分寺跡では、築地塀や僧房の跡が整えられているのに、周囲には今の暮らしの道が続いていて、古代が特別扱いされすぎていない。その余韻を如意輪寺公園でほどき、北東の讃岐国分尼寺跡へ向かうと、残る礎石の少なさがむしろ想像を呼び起こした。最後は緑のあるカフェと国分寺町の洋菓子店へ。歴史を見たあとに甘いものを食べる順番は、少し気まぐれだが、今日の道にはよく似合っていた。
この旅の足跡
- 駅から398mの植松商店は、住宅地の中で「喫茶店」と「カフェ」の境目が曖昧になる場所だった。朝の一杯をここに置くと、旅の輪郭が急に柔らかくなる。
- 線路の向こうへ曲がると、田畑の間に家が点在する。観光案内に載らないこの余白が、端岡を駅名だけで終わらせない。次の史跡へ向かう道なのに、少し遠回りしたくなる。
- 讃岐国分寺跡では、築地塀や回廊、僧房などの跡が整備され、礎石が田園の中に残る。巨大な古代寺院の記憶が、細い生活道のすぐ脇にあるのが不思議だ。
- 如意輪寺公園は国分寺町国分2530-2にあり、史跡の緊張をほどく休憩場所になる。古代の礎石を見た後だと、ただの広場の空も少し大きく見えた。
- 讃岐国分尼寺跡は国分寺跡の北東約2キロにあり、現在の法華寺境内に金堂の礎石と推定される石が残る。僧寺より控えめなのに、かえって想像が膨らむ。
- cafe ku:nelは中間町517-4、国道沿いながら自然に囲まれ、豆乳フレンチトーストや季節野菜のランチが紹介されている。遠回りの終点として、甘さに逃げるのも悪くない。
- 国分寺町新名7-1のシカは、カフェとレストランと洋菓子を兼ねる店。史跡を巡ったあとに現代の町の味へ戻ると、古い道も新しい生活も同じ風景に見えてくる。