LoqiRoam · 旅日記
看板の先で、水が町をつないでいた
鉄道歴史パークからうちぬき、陣屋跡、商店街、喫茶店を経て伊曽乃神社へ。看板と小道の変化から、西条の暮らしと歴史をたどった。
伊予西条駅を出て、まず鉄道歴史パークの車両を見た。旅の町に着いたはずなのに、最初に出会ったのは出発を待つ乗り物だった。 そこから水路を探すように歩くと、うちぬきの流れが町の隙間から現れた。旧西条藩陣屋跡では、堀の水と土蔵造りの民藝館が静かに並び、歴史が展示室だけでなく足元にも残っていることに気づいた。 紺屋町では、名所の説明板よりも、パンや肉やたこ焼きの看板に惹かれた。玉川コーヒー店で休んだあと、伊曽乃神社へ向かう道で景色がほどける。祭りの日には大きな屋台が集まるという社は、普段は木立の奥で穏やかに息をしていた。 鉄道、水、商い、祭り。今日はその順番で、西条という町の案内板を読み替えていった。
この旅の足跡
- 駅のすぐ隣で、新幹線0系と四国を走ったDF50形が向かい合う。旅の始まりなのに、ここだけで鉄道の時間が二つに分かれて見えた。
- 水路のそばで、地下水が町の景色をつくっている。名水百選の説明を読んでも、実際に流れ続ける音のほうが西条の自信をよく語っている気がした。
- 堀をめぐる澄んだ水の向こうに、土蔵造りの愛媛民藝館が現れる。囲炉裏を中心に日用品を見ると、城下町の歴史が急に手のひらサイズになった。
- 紺屋町商店街には、パン、精肉、たこ焼き、服の店が同じ通りに並ぶ。観光用の風景ではなく、夕飯を考える人の看板こそ町の現在形なのだと思った。
- 本町二丁目の玉川コーヒー店は、住所まで店名の一部のように響く。古い喫茶店で休むと、さっきまで追っていた水路の音がカップの中に小さく残った。
- 伊曽乃神社へ向かうと、駅前とは違う木立の奥行きが現れる。約1800年の歴史と、秋にだんじりが集まる祭りの規模が、静かな境内からは想像しにくい。