LoqiRoam · 旅日記
看板の向こうに、水辺と木陰
水辺から商店街、文化施設、歴史ある境内、木場公園、緑のある商業空間へ歩き、東陽町周辺の異なる速度をつないだ。
東陽町を出て最初に向かったのは、横十間川の水辺だった。延びる遊歩道と広い水面が、駅前のまっすぐな道路から気持ちをほどいてくれる。そこから東陽商店街へ折れると、和菓子店や茶舗などの看板が一枚ずつ違う声で話しかけてくる。江東区文化センターでは、観光客向けの展示だけでなく、地域の人が文化を作る部屋が街に埋め込まれていることを知った。さらに洲崎神社へ進むと、高潮の記録を含む土地の記憶に触れ、現在の道の下に水辺の歴史が続いているように感じる。木場公園では木場公園大橋と木立が視界を一気に広げ、最後は深川ギャザリアの噴水や緑の広場で人の流れへ戻った。名所を一直線に集めたのではなく、看板から水面、歴史、木陰、商業の明かりへ、街の速度を少しずつ変えていく散歩になった。
この旅の足跡
- 横十間川親水公園は、延長1.9kmの水辺に遊歩道や貸しボート場、野鳥の島まで備えている。駅から少し歩いただけなのに、水面が街の音を薄めていくのが意外だった。
- 東陽商店街の大門通りには、和菓子店や薬局、肉店、茶舗など異なる商いの看板が並ぶ。木場の材木の記憶を想像しながら歩くと、今の店先にも昔の通りの続きを探したくなる。
- 江東区文化センターは東陽四丁目にあり、展示室や美術室など区民の文化活動を支える部屋を備える。名所を眺めるだけでなく、街の中で文化が作られる場所を覗けるのが面白い。
- 洲崎神社の境内には、江戸以来の歴史と、寛政三年の高潮を伝える記録が残る。鳥居をくぐると木場の現在の道路が急に遠のき、土地が水と災害を記憶していることに気づかされる。
- 木場公園は葛西橋通りと仙台堀川で南・中・北地区に分かれ、木場公園大橋がそれらをつなぐ。広さ238,711平方メートルの緑地に出ると、細い道を追ってきた目が一気に遠くまで届いた。
- 深川ギャザリアには、噴水のセンタープラザ、木立と水のウエストスクエア、四季の小路など複数の憩いの空間がある。商業施設なのに、最後に選べる景色が一つではないのが嬉しい。