LoqiRoam · 旅日記
高宮で、まっすぐ行かない午後
駅前から細道へ入り、旧高宮宿の本陣跡、神社と商家、高宮布の記憶をたどって犬上川の無賃橋へ抜ける旅。
高宮駅を出て、まず大きな道から外れた。住宅の間の細い通りは、行き先を約束してくれない。その頼りなさがよくて、軒の近さや道幅の変化を見ながら旧高宮宿へ向かった。中山道の宿場町に入ると、本陣跡や旧家が点在し、歴史は立派な一枚絵ではなく、今の生活の隣に残っているとわかる。高宮神社の参道近くでは馬場家住宅の外観に足を止めた。中へ入れない建物だからこそ、商家の奥行きを勝手に想像してしまう。その後、高宮布と近江商人の話を思い出し、細い街道が遠い土地と商いで結ばれていた時間を考えた。最後は犬上川の無賃橋へ出た。曲がり角ばかり選んだ町歩きの終わりに、水面と風が現れ、迷い道が一本の旅に変わった。
この旅の足跡
- 駅前の大きな道を外れると、住宅の間に細い通りが現れた。観光の入口らしい看板はないのに、曲がるたび家の軒が近づき、町の生活が急に濃くなる。
- 旧高宮宿は中山道の宿場で、今も旧家や本陣跡が点在するという。実際に歩くと、整った観光地というより、暮らしの中に歴史がひそむ感じがして少し意外だ。
- 高宮宿の本陣跡に立つと、ここが中山道六十四番目の宿場だったことが急に近くなる。大きな遺構が残るというより、道の上に旅人の気配だけが薄く重なっている。
- 高宮神社の参道近くには、旧中山道高宮宿を代表する馬場家住宅がある。外観のみの見学でも、商家の奥行きを想像させる重い構えで、道の表情が一段深くなった。
- 高宮は高宮布の集散地として栄え、近江商人の商いも盛んだったという。布そのものは見えなくても、細い街道に商売の広がりを想像すると、町が急に遠くの土地とつながる。
- 犬上川に架かる高宮の無賃橋は、渡り賃を払わず通れたことからその名がついたという。町の細部を追った最後に川へ出ると、橋の由来まで景色の一部に見えてくる。