LoqiRoam · 旅日記

曲がり角のたび、筑豊の輪郭

上穂波から飯塚の歴史資料館、商店街、嘉穂劇場、カフェを経て、旧伊藤伝右衛門邸へ。路地の選択が筑豊の時間をつないだ。

上穂波では、まず列車の窓から見える緑と住宅の間に、町の入口らしい細い道を探した。市街地へ出て歴史資料館を訪ねると、立岩遺跡の出土品と石炭資料が同じ土地の時間を別々の厚みで語っていた。そこから商店街へ曲がる。店先の並びは観光案内よりも生活の地図に近く、嘉穂劇場の木造の存在感が急に浮かび上がった。劇場は再開場の動きがある一方、今日は無理に中へ入らず、外からその時間の長さを想像した。街家caféつむぎで足を休め、最後は遠賀川側の旧伊藤伝右衛門邸へ。ステンドグラス、長い畳の廊下、庭園の回遊路。派手な順路を選んだつもりはないのに、曲がるたびに町の過去と現在が入れ替わった。帰り道は、最初に見た何気ない角まで少し意味ありげに見えた。

この旅の足跡

  1. 資料館に入ると、立岩遺跡の出土品や石炭資料が、町の過去を急に立体的にした。駅からの道で見た何気ない丘まで、別の顔に見えてくる。
  2. 商店街のアーケードを歩くと、飲食店から手芸品店まで店の種類が細かく分かれている。観光地らしさより、暮らしの曲がり角を覗く感じが面白い。
  3. 嘉穂劇場は1931年開場の木造芝居小屋で、筑豊に残る劇場建築の唯一の遺構だという。再開場の知らせを見て、閉じた時間が動き出す気配を感じた。
  4. 本町16-8の街家caféつむぎは9時30分から17時、不定休。大きな名物ではなく、歩き疲れを一度ほどくための店を選ぶ自分が少し可笑しい。
  5. 旧伊藤伝右衛門邸では、ステンドグラスの応接間と一畳たたみを敷き詰めた長い廊下が同居する。豪華さの中に、住む人の癖まで見えそうで落ち着かない。
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