LoqiRoam · 旅日記
水音へ曲がる
近江長岡の生活道と三島池の山景色から醒井へ転じ、地蔵川の梅花藻、旧中山道、古民家カフェ、山側の細道をつないだ。
近江長岡では、伊吹山を正面に見る前に、駅から逃げるような生活道へ曲がった。畑と水路の境目を拾い、視界がひらいたところで、今日は徒歩だけに固執しないことにする。三島池で山を水面に預け、そこから醒ケ井へ電車で移った。地蔵川の梅花藻は、知識としては珍しい花なのに、実際には冷たい流れの音が先に身体へ届く。旧中山道の家並みを水路の角ごとに見返し、古民家カフェで甘味を選んだ。帰りは川から山側へ少し離れる。名所を回収したというより、曲がるたびに町の速度を拾い直した旅だった。
この旅の足跡
- 駅を出てすぐ、伊吹山へまっすぐ行かない道を選ぶ。畑と水路の境目が妙に気になり、観光地の入口より生活の裏側のほうが先に旅を始めてくれた。
- 三島池は農業用水池として造られ、伊吹山を水面に映す場所として知られる。山を見に来たのに、鴨の気配と水面の揺れのほうが主役に見えて少し可笑しい。
- 醒井の地蔵川は居醒の清水から湧き、梅花藻で知られる。7月の水辺は花を探す目になるが、冷たい流れの音だけでも歩幅を変える力があった。
- 中山道61番目の醒井宿を、水路の角から斜めに見る。古い家並みが保存された景色というより、軒先と清流が今も同じ画面にいることに驚く。
- 地蔵川のそばの和cafeたち季は古民家を改装した店。水の町でかき氷や抹茶を選ぶと、名物を消費するより、流れを眺めて一度旅を置く感じがした。
- 帰りは川から少し離れ、宿場の裏手へ曲がる。梅花藻も古い軒も遠ざかるほど、最初の駅前とは違う町の余白が残り、終着を急がなくてよくなった。