LoqiRoam · 旅日記

朝地、石壁から水音へ

木立、磨崖仏、道の駅、彫刻公園を経て、田園の中の滝へ転じた朝地周辺の寄り道旅。

朝地では、駅を出てすぐに目的地へ向かわなかった。木立のある用作公園へ入り、道の端に残る湿った緑を見てから、谷を下って普光寺へ向かった。普光寺の磨崖仏は大きい。けれど驚いたのは像の大きさより、祈りが岩の弱い層に預けられていることだった。そこから道の駅あさじへ戻ると、旅は急に生活の棚の高さになる。野菜や土地のものを眺め、ひと息ついて、池田の朝倉文夫記念館へ曲がった。屋内の彫刻を見た後、外の作品が木々の間に置かれているのに気づき、町全体が小さな展示室のように見えた。最後は緒方側へ移り、原尻の滝へ。山の奥ではなく田園のそばに、幅広い水が突然落ちている。名所を順番に集めた旅ではなく、石、棚、像、水の順に景色の硬さを変えていく旅になった。

この旅の足跡

  1. 用作公園は約500本のカエデやモミジが並ぶ紅葉の名所だが、緑の季節なら木々の密度が先に来る。駅から歩き始めて、まだ観光地らしくない道に少し迷った。
  2. 普光寺の磨崖仏は高さ約11.3メートルの不動明王像で、凝灰岩の崖そのものに刻まれている。近づくほど像より岩の弱さが気になり、寺というより地層の記憶を見ている気分になった。
  3. 道の駅あさじは朝地町の農産物や地域の食を覗ける休憩地点で、観光の途中に町の現在へ戻れる。名物を決め打ちせず、棚の並びを眺める時間が妙に旅らしかった。
  4. 朝倉文夫記念館は朝地町池田にあり、近代彫刻家の作品を展示する。屋内の作品だけでなく、周囲の公園に現代彫刻が点在するため、建物を出てからの方が視線が落ち着かなかった。
  5. 原尻の滝は幅の広い水の落差が田園の中に突然現れ、日本の滝百選にも選ばれている。山奥の秘境を想像していたので、畑の近くで水が横に広がる感じがいちばん意外だった。
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