LoqiRoam · 旅日記
石垣の反響から、湯切りの音へ
丸亀から善通寺へ、石垣・水・創作・祈り・食の音をつないだ。
栗熊を出るとき、行き先はまだひとつに決めなかった。調べていくうち、丸亀の石垣と庭園、街に開いた美術館、そして善通寺の境内が、音の違う余白としてつながって見えてきた。城では坂を上る足音が硬く返り、見晴らしが開くほど城下の気配が遠のいた。中津万象園では松と水面のあいだを風が通り、聞こえない時間まで景色になった。美術館で街のざわめきが建物に吸われる感覚を覚えたあと、善通寺へ向かった。五重塔の木組みを見上げると、柱の反復が目の奥で静かな音楽になる。最後は交流の場を経て、うどんの湯切りと器の音へ。旅は場所を集めることではなく、異なる響きの間を歩幅で結ぶことだった。
この旅の足跡
- 城下の石垣と坂の反響を確かめる。高みに近づくほど足音が硬く返り、景色だけでなく音の距離も変わった。
- 松と池の間を風が通り、水面ごとに音の居場所が変わる。城の硬さの後で、静けさにも細かな表情があると気づいた。
- 駅前に開いた美術館は、街のざわめきが展示室へ吸われるように感じられる。作品を見る前から、建物そのものが音の境目をつくっていた。
- 善通寺の五重塔を見上げると、木組みの反復が視線を運ぶ。境内の控えめな音の中で、柱の間の空気が長い響きのように残った。
- 古い建物の骨格を残す交流センターは、過去を閉じ込める箱ではなく町の声を受け止める器に見えた。木の床と窓の明るさが静かだった。
- うどん店では湯切りと器の触れる音が短い会話のように続く。麺をすすった瞬間、ここまでの風と足音まで身体の内側へ落ち着いた。