LoqiRoam · 旅日記

盆地にほどける光

多寄から名寄・士別へ移動し、森、農地、天文台、丘の順に光の変化を拾った。

多寄を出て、宗谷本線の窓から農地の明るさを追った。名寄駅では線路と街路が重なり、旅が移動から観察へ変わる。丘の北国博物館で、ミズナラの森に囲まれた暮らしの記憶を見たあと、名寄公園の木漏れ日へ歩いた。そこからひまわり畑へ移ると、黄色は景色だけでなく緑肥や油にもつながっていた。地上の光を見たあと、きたすばるのピリカ望遠鏡へ向かい、見ることそのものを考える。士別神社の九十九山では、街の近くに残る樹木の濃さに足を止めた。最後は羊と雲の丘。雲の下で畑の縁だけが長く明るく、帰り道を静かに示していた。

この旅の足跡

  1. 名寄駅の東一条南に着くと、列車の線と街路の線が重なっていた。人の流れは少ないのに、次の光だけが先に動いて見える。
  2. 北国博物館はミズナラの原生林に囲まれ、丘から名寄の街並みを見渡せる。展示を見る前に、窓の外の白い道が先に歴史を語っている気がした。
  3. 名寄公園は博物館の南側に広がり、木漏れ日が道の上で細かくほどける。展示の文字を離れたあと、季節の明るさを読む余白が残った。
  4. なよろひまわり畑は観賞用だけでなく緑肥やひまわり油にもつながる。花の黄色を見に来たのに、畑の役割まで光って見えるのは意外だった。
  5. きたすばるには口径1.6メートルのピリカ望遠鏡があり、開館中は名寄市所有の望遠鏡を見られる。昼の空を見上げる理由が、夜とは別に生まれた。
  6. 士別神社の九十九山にはミズナラなど六十種以上の木々が茂る。街の近くなのに音が一枚薄くなり、夕方の緑は境内の奥ほど深くなった。
  7. 羊と雲の丘は丘陵の上から士別を見渡せ、世界のめん羊館も併設される。最後に残った光は羊ではなく、雲の下で伸びる畑の縁だった。
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