LoqiRoam · 旅日記
駅前の色が海までほどけた日
鈴鹿駅から神戸城跡、白子の伊勢型紙、寺家の伝統産業、白子港、鼓ヶ浦へ移動し、街の石・文様・墨・海の色を集めた。
鈴鹿駅を出たときは、駅前の道と建物を明るく眺めるつもりでした。けれど神戸城跡の石垣に出会うと、街の灰色にも昔の重さがあると気づきました。そこから近鉄で白子へ移動し、海側の町へ寄り道。旧寺尾家の伊勢型紙資料館では、細い文様が遠い土地まで運ばれていた歴史に驚き、専門店ではその文様が扇子や小物の色として今も暮らしに残っているのを見ました。寺家の伝統産業会館で鈴鹿墨の深い黒を確かめたあとは、白子港へ。水面の青、魚の銀、鼓ヶ浦の砂と松の緑が、室内で集めた色を外の景色へ連れ出してくれました。駅前から始めた旅なのに、最後は水平線まで歩いた気分です。
この旅の足跡
- 神戸の低い高台に、戦国の野面積みの石と金箔瓦の話が残っていました。駅前の道から急に城の時間へ入る感じがして、石の灰色が頼もしく見えます。
- 白子駅に着くと、海の方へ伸びる道の先に港町の気配がありました。鈴鹿駅からは乗り換えを含む移動ですが、景色の色が内陸の灰色から潮の青へ変わるのが楽しいです。
- 旧寺尾家の町家を使った伊勢型紙資料館は、白子の型紙問屋の記憶を建物ごと残しています。細い文様を見ていると、昔の商人が遠くまで柄を運んだ道のりが気になりました。
- 白子三丁目の伊勢型紙専門店には、型紙を使った扇子や小物が並びます。伝統の文様が暮らしの道具に変わると、黒や茶だけでなく、光を通す色まで見えてきました。
- 寺家の伝統産業会館では、鈴鹿墨と伊勢型紙の道具や作品を無料で見られます。鮮やかな文様を見たあとに深い墨の黒へ進むと、色の旅が静かに締まりました。
- 白子港緑地では、港の水面と防波堤の向こうの空が大きく開けます。魚市場の気配もあり、館内で集めた文様の色が、潮の青と銀色にほどけていきました。
- 鼓ヶ浦は白砂青松の海岸として紹介される場所で、松の緑と砂の淡い色が長く続きます。駅前から始めた小さな収集が、最後には風と水平線まで広がりました。