LoqiRoam · 旅日記

谷津川から荒川へ、看板を拾う散歩

道祖神、札所、そば畑、民俗資料、転車台をつなぎ、看板の背後にある山里の暮らしを歩いて確かめた。

白久の駅から歩き始めると、道はすぐに谷津川の気配を帯び、橋場の双体道祖神という小さな目印に出会った。男神と女神が一つの石に刻まれた姿は、観光案内の大きな写真よりも、道の端で旅人を見送ってきた時間を感じさせる。緑の道を進んだ法雲寺では、朱色の観音堂と古い納札の話に足が止まり、山道が巡礼の線でもあったことを知った。そこから荒川へ下ると、そば畑の広がる花見の里、朝どり野菜を扱う道の駅へと景色がほどける。資料館では白久の串人形や笠鉾に出会い、さっき見た看板や集落の道が、暮らしと祭りの続きに見えてきた。最後は三峰口の転車台公園へ。列車が向きを変える円を眺めながら、今日の散歩も駅から駅へ一直線ではなく、寄り道で土地の厚みを知る旅だったと思う。

この旅の足跡

  1. 駅を出て谷津川へ向かう途中、橋場の双体道祖神は男神と女神が一つの石に浮かぶ小さな道しるべ。旅の安全を願う像なのに、道端で急に出会う感じが面白い。
  2. 谷津川沿いの緑を抜けると、法雲寺の朱色の観音堂が現れる。1615年建立と伝わる堂の回廊と、古い納札が残るという話が、山道をただの散歩で終わらせない。
  3. 約1.1ヘクタールのそば畑を持つちちぶ花見の里では、花を眺めながら打ち立てのそばを味わえる。今日は花の季節でなくても、畑が食卓へ続く距離に驚く。
  4. 山小屋風の道の駅あらかわには、朝どり野菜やそば製品が並び、周辺には水芭蕉園やハス園もある。観光地の売店というより、山里の台所を覗くような場所だ。
  5. 荒川歴史民俗資料館では、歌舞伎笠鉾や白久の串人形、野鍛冶の道具まで無料で見られる。二人で動かす珍しい人形を知ると、さっきの道端の看板まで少し違って見えてくる。
  6. 三峰口駅のSL転車台公園は、樹木と芝生の遊歩道の中央に転車台を置く。運転日に見られる向き変えの作業を想像すると、終点が行き止まりではなく、列車が戻るための円になる。
地図と足跡で読む