LoqiRoam · 旅日記
音のほうへ、境線から海辺まで
空港、水鳥公園、海岸、城跡、公会堂、港の公園、妖怪の道を、音の変化に合わせてめぐった。
大篠津町を出ると、最初に耳へ届いたのは空港の向こうへ抜ける風だった。飛行機と列車の気配を見送って、米子水鳥公園では音を探すというより、音が生まれるまで待つ。水面の鳥影を眺めているうち、旅は急がなくていいものだと思えた。皆生海岸では波が同じ調子を繰り返し、その単調さがむしろ身体をほどいてくれた。米子城跡では中海と大山を見渡し、遠い車の音まで景色の一部になる。公会堂で人のために作られた音へ寄り道し、夢みなと公園ではまた潮風へ戻った。最後の水木しげるロードでは、ブロンズ像の間を歩く足音に、昼と夜の境目のような不思議な余韻が重なった。音をたどったはずなのに、帰り道に残ったのは、場所ごとの静けさだった。
この旅の足跡
- 滑走路の近くなのに、空港の送迎デッキでは飛行機の音が一瞬で遠のいた。6時から22時まで開いている場所だから、朝の境線と空の音を重ねて想像できる。
- つばさ池の向こうに大山を望み、望遠鏡で鳥の生活を見られる公園。人の声より羽音を探す時間になりそうで、冬の朝なら水面はどんな響きになるのか気になった。
- 皆生海岸には波の音を聞きながら歩ける遊歩道がある。温泉街の背後で海がずっと同じ調子を刻んでいると思うと、足音まで潮に合わせたくなった。
- 米子城跡の天守台は大山、中海、市街地まで360度見渡せる。建物が失われた場所なのに、風だけは昔から続いているようで、遠くの町音を探したくなる。
- 米子市公会堂ではレコードを聴く夜の企画や、市民が歌う舞台が続いている。大ホールは音楽演奏にも使われる場所で、街の記憶が壁に柔らかく残っていそうだ。
- 夢みなと公園には海浜公園と木のボードウォークがあり、タワーから日本海や大山を360度眺められる。潮風の音と観光地のざわめきが、意外に仲よく混ざっていた。
- 水木しげるロードは境港駅から約800メートル続き、178体の妖怪ブロンズ像が並ぶ。夜には影絵照明とライトアップも現れるそうで、昼の足音にも別の物語が潜んでいる気がした。