LoqiRoam · 旅日記

水と影のあいだ

錦町駅から広瀬の街並み、食、平瀬ダム、寂地峡を経て、温泉で水と光の旅を閉じた。

出発点から北へ向かうと、錦川清流線の終点に山が閉じていた。駅のホームに残る明るさを背に、広瀬の古い街並みを歩く。明治から昭和の軒先と新しい看板が重なり、日向と日陰の境目が家ごとに違った。食の拠点で温かいものを補い、平瀬ダムへ移ると、水は川よりゆっくり空を映した。そこからさらに上流へ。寂地峡の岩は滝と淵を幾重にも刻み、光まで途切れさせていた。最後に雙津峡温泉へ入り、冷たい水の印象を身体の内側からほどく。名所を順に集めたというより、水面の広さと影の深さが少しずつ変わる道を選んだ。帰りには、朝の駅の光も別の色に見えそうだった。

この旅の足跡

  1. 錦町駅は錦川清流線の終点だった。線路の先に山が閉じ、ホームの明るさだけが町へ伸びている。列車を降りると、旅の速度が一段落ちた。
  2. 錦川のそばに、明治から昭和の街並みが残る。新しい看板の影に古い軒先が重なり、日向と日陰の境目が家ごとに違って見えた。
  3. 広瀬の小さな食の拠点では、麺類や地元の味を扱い、午前の終わりには弁当やサンドイッチも並ぶ。窓辺の光で、歩いた距離を初めて意識した。
  4. 平瀬ダムの水面は、川よりもゆっくり空を映していた。放流と発電を担う場所なのに、風が止むと雲の影だけが静かに動き、人工物の輪郭まで柔らかくなった。
  5. 寂地峡では、宇佐川が花こう岩を深く削り、滝と淵を連続させていた。五竜の滝という名前を知っていても、岩の間で光が五度も途切れる感じは予想していなかった。
  6. 雙津峡温泉の建物に入ると、谷の緑が窓の外へ静かに退いた。温泉は景色を消すのではなく、冷たい川と岩を見たあとの身体に、別の明るさを戻してくれた。
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