LoqiRoam · 旅日記
神社の鳥居から、川面の橋まで
多賀神社、石炭記念館、商店街、休憩、遠賀川をつなぎ、直方の歴史と現在を曲がり角ごとに拾った。
南直方御殿口を出たとき、今日は名所を集める気分ではなかった。住宅地へ一度曲がり、細い道の先で多賀神社の鳥居に出会う。元禄以来の鎮守と古い鳥居は、町の時間が過去形にならず、今も人の暮らしの脇に立っていることを教えてくれた。そこから石炭記念館へ歩くと、神社の静けさとは別の重さが現れる。本館、別館、化学館、そして救護訓練坑道。地下の仕事が地上の記憶になっていた。商店街では古町へ続く通りの新旧を眺め、殿町で一杯だけ休む。最後に川辺へ出ると、看板と屋根の密度がほどけ、水面に近い橋が町の外側へ連れ出してくれた。まっすぐ歩かなかったからこそ、直方の輪郭が少し立体になった。
この旅の足跡
- 駅から少し外れると、住宅地の細道が社の鳥居へつながった。観光の入口というより、暮らしの途中に歴史が立っている感じがして、先を急げなくなった。
- 元禄から続く鎮守に、1707年寄進の鳥居が残る。古いのに境内は閉じておらず、朝の町の生活へそのまま開いているのが意外だった。
- 石炭記念館は本館・別館・石炭化学館の三館構成で、裏には救護訓練坑道もある。町の地下にあった仕事が、地上の建物へ戻ってきたようだ。
- 殿町通りは古町通り商店街へつながり、古い商いの骨格が今も道をつないでいる。空きの気配と新しい店の気配が同じ通りにあり、少し不思議だ。
- 殿町の塩cafeは11時から営業する小さな休憩先。商店街の音を少し離れて一杯を挟むと、次の道を選ぶ判断までゆっくり戻ってきた。
- 直方リバーサイドパークは川面に近い渡り橋と約2kmの散策コースがある。商店街の看板を見た後に水の広さへ出ると、町の音が急に遠くなった。