LoqiRoam · 旅日記

大須で、角をひとつ余計に曲がる

大須観音から商店街、万松寺、大須演芸場、白川公園、美術館、科学館へ。雑踏と静けさの落差を曲がり角ごとに味わった。

大須観音を出たときは、門前の静けさがそのまま続くと思っていた。けれど数歩で商店街の音に包まれ、八本もの通りが入り組む迷路へ入る。古着、食べ歩き、電気店。通りごとに理由が違うので、まっすぐ歩くほうがむしろ不自然に思えた。赤い提灯の万松寺では、街の派手さの奥に祈りの時間が残っているのを覗き、大須演芸場の周辺では、まだ始まっていない笑いの気配を拾った。そこから白川公園へ抜けると、肩が触れそうだった路地が急にほどけ、空と木々が現れる。美術館の建物を横目に歩き、最後は科学館の大きな球体を見上げた。商店街から寺へ、芸能へ、緑へ、そして宇宙へ。今日の正解は最短距離ではなく、少し気になる角を見逃さないことだった。

この旅の足跡

  1. 大須商店街は八本の通りが入り組み、食べ歩きだけでなく古着や電気店まで混ざる。次の角ごとに街の顔が変わるので、最短距離を選ぶ気が失せた。
  2. 万松寺は赤い提灯や現代的な外観が目立つのに、奥へ進むと祈りの空気が急に濃くなる。寺は静かなもの、という先入観を少し裏切られた。
  3. 大須演芸場の周辺には、古い路地と看板が残り、開演前でも街が笑いを待っているように見える。実演を見ていないのに、なぜか少し浮き足立った。
  4. 白川公園へ出ると、さっきまで肩が触れそうだった道から空の広い景色へ変わる。噴水や木々の間で、街の音が一度だけ遠のいた。
  5. 白川公園の中には名古屋市美術館があり、緑の中に黒川紀章の建物が沈んでいる。外から眺めるだけでも、商店街とは別の時間へ曲がった感じがした。
  6. 名古屋市科学館の球体は直径35メートルのプラネタリウムで、木々の向こうから突然現れる。大須の角を追っていたはずが、最後に宇宙の入口を見つけた。
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