LoqiRoam · 旅日記

風、壁、葉音。東大和から多摩湖へ

喫茶店から戦災建造物、森、多摩湖、里山へ。小さな音の変化をつないだ旅。

東大和市を出て、まず懐かしい洋食屋さんの気配に身を置いた。旅は大きな見どころから始まると思っていたけれど、店内の皿や湯気のほうが、朝の街を近く感じさせてくれた。そこから旧日立航空機変電所へ歩くと、外壁と内部に残る空襲の痕跡に出会う。音のない場所なのに、過去の轟音を想像してしまう。重くなった心を東大和公園の葉音で少しずつほどき、多摩湖の堤防では風に預けた。最後の八国山緑地では、落ち葉を踏む音が遠い街の響きを隠してくれた。今日は名所を集めたのではなく、音の大きさを変えながら歩いた一日だった。

この旅の足跡

  1. 昔なつかしい洋食屋さんを掲げる店で、朝の街の音をいったん皿の音へ置き換える。駅から歩ける距離なのも、旅の始まりにちょうどいい。
  2. 外壁だけでなく内部にも空襲の痕跡が残る変電所。静かな建物なのに、壁を見ていると過去の轟音が遠くから戻ってくる気がした。
  3. 東大和公園では野鳥や昆虫などの調査が続いている。足元の葉音を聞きながら、見えない生きものの気配を想像すると森が少し近くなる。
  4. 多摩湖の堤防に立つと、水面の向こうまで視界がほどける。人の気配はあるのに、耳にはまず風が届き、景色が音より先に静かになった。
  5. 八国山緑地は狭山丘陵の一部で、緩やかな傾斜の雑木林が続く。街の音が薄まり、落ち葉を踏む音だけが最後の伴奏になった。
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