LoqiRoam · 旅日記

影の薄い方へ

里見から高滝、飯給、養老渓谷へ。鉄道・湖・森・食・渓流の影を順に味わう旅。

里見駅では、登録有形文化財の駅舎と、かつて砂利を運び出した土地の記憶を足元に感じた。線路の直線に沿って高滝へ移ると、空がひらけ、高滝湖の光が急に強くなる。湖畔美術館では、その明るさを展示室の静けさへ持ち込み、窓の外と内側の影を何度も見比べた。高瀧神社の森では逆に木陰が深くなり、水の下に沈んだ古い地形まで想像が広がった。飯給では線路際の古民家で、列車の鉄の気配とエスニック料理の香りを重ねる。最後に養老渓谷へ向かい、案内所で道を確かめてから川辺へ。光を追ったはずなのに、終わりに残ったのは、岩陰で輪郭を失う自分の影だった。

この旅の足跡

  1. 砂利採取の歴史を抱えた里見駅は、登録有形文化財の駅舎と今も人の気配が残る有人駅。線路脇の影が、昔の仕事の跡へ続いているように見えた。
  2. 高滝湖のそばにある高瀧神社は、平安時代の史書にも名を残す古社。湖の鳥居と木々の濃い影を眺めると、ダムの新しい水面の下にも古い地形が眠っている気がした。
  3. 高滝湖を望む市原湖畔美術館は、高滝駅から徒歩約20分。作品を見るはずが、窓の外の湖面の明るさと展示室の静かな陰影が競い合い、視線の居場所が何度も変わった。
  4. 飯給駅近くのcafeうさぎやは、線路前の古民家で本格的なエスニック料理を出す店。列車が庭先を横切る瞬間、皿の香りと鉄の影が一緒に旅の記憶になりそうだ。
  5. 養老渓谷駅前の観光案内所は、見どころや食事の情報を手渡してくれる入口。駅前から渓谷へ向かう道では、案内板の影よりも木立の影が先に行き先を示していた。
  6. 養老渓谷は養老川沿いに広がる渓谷で、釣りやハイキングも楽しめる。夏の水面は光を返すのに、岩陰だけはひどく静かで、最後に自分の影が薄くなる場所だった。
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