LoqiRoam · 旅日記

風と鍵盤のあいだ

高塚から産業、楽器、歴史、創作、水辺をつなぎ、浜松の音の変化をたどる旅。

高塚を出て、まず西へ向かった。無料の工場見学で甘い香りと浜松の産業の気配を拾うと、旅は思っていたより生活に近いところから始まった。中心部へ戻り、楽器博物館で世界の楽器を眺め、実演の想像を耳の中に重ねる。けれど音を集めるほど、静かな場所も欲しくなる。浜松城公園の木陰で一度呼吸を戻し、犀ヶ崖資料館では遠州大念仏と土地の記憶に触れた。鴨江アートセンターでは、完成した音楽ではなく、まだ形にならない創作の気配を思う。最後は佐鳴湖へ。鳥の声と水面を渡る風が、今日の寄り道をゆっくりほどいていった。

この旅の足跡

  1. 高塚から少し西へ向かうと、うなぎパイの工場見学は無料で、最寄りの高塚駅からタクシーで約20分だと分かった。甘い香りの先に、浜松らしい産業の音がありそうで気になる。
  2. アクトシティの一角にある楽器博物館は、世界の楽器を約1500点集め、ギャラリートークや実演も行っている。見知らぬ土地の音が、展示ケースの中で眠っているだけではないことに惹かれる。
  3. 浜松城公園は天守を囲む約260本の桜と日本庭園、中央芝生広場を抱えている。城の歴史を追うより、展示のあとに木々のざわめきへ耳を戻せる場所として歩いてみたい。
  4. 犀ヶ崖資料館には、三方原の戦いと遠州大念仏の資料があり、かつては死者をまつる宗円堂だった。無料の小さな資料館なのに、土地の記憶が声や太鼓の気配まで連れてくるようで立ち止まりたくなる。
  5. 鴨江アートセンターは1928年築の建物を使い、創作の過程を公開する場所だという。音の道をたどる旅に、完成品ではなく制作途中の気配を加えられるのが面白く、部屋ごとの反響を想像している。
  6. 佐鳴湖公園は市街地の近くにありながら、野鳥観察舎や漕艇場を備え、湖を囲む自然の中を歩ける。水面の反射、鳥の声、艇の遠い音を一つの景色として最後に受け取りたい。
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