LoqiRoam · 旅日記
光の縁をたどる七戸
千曳から七戸へ南下し、食、絵、廃線、大樹、花、縄文の地形を光の変化でつないだ。
千曳を出て、南へ向かう田園の明るさを追った。最初に道の駅しちのへで、野菜や土産が集まる場所の温度を感じ、隣の美術館では深い緑と幻想の色に歩みを預けた。そこから旧七戸駅へ移ると、動かなくなった線路にかつての移動の気配が薄く残っていた。午後の光が傾くころ、銀南木の大イチョウの枝影は地面まで広がり、木の大きさを数字で考えるのをやめさせた。ローズカントリーでは葉の隙間の反射が細かく変わり、最後に二ツ森貝塚へ向かった。貝層と草地を前にすると、今日見た光もまた、いつか地面に重なる一層になるのかもしれないと思った。
この旅の足跡
- 道の駅しちのへは、土産だけでなく約200戸の農家が出す産直と花の展示館を抱える。馬肉の味噌ラーメンを選ぶと、旅の入口が急に土地の味になった。
- 鷹山宇一記念美術館では、七戸出身の画家が追った深い緑と幻想的な蝶に出会える。外の強い空より、館内の色のほうが長く目に残るのは不思議だった。
- 南部縦貫鉄道の旧七戸駅には、廃線後もレールバスの時間が薄く残る。動かない線路を見ていると、町の外へ向かっていた光だけがまだ進んでいるように感じた。
- 銀南木の子安イチョウは推定700年以上、樹高約26メートル。枝が地面へ触れるほど広がり、夕方の影まで木の一部に見えた。近づくほど大きさが測れなくなる。
- 東八甲田ローズカントリーは山舘にあり、季節には園内のバラが斜面の明るさを細かく分ける。花の香りより先に、葉の間で反射する白い光に気づいた。
- 二ツ森貝塚は湖沼地帯の環境変化に適応した大規模集落跡で、貝層の断面が暮らしの厚みを見せる。夕方の草地を見ていると、景色が遺跡になる瞬間を考えた。