LoqiRoam · 旅日記
小さな駅から、空の色まで
伊賀上津から阿保の歴史と文化をめぐり、最後は青山高原の広い眺めへ向かった。
伊賀上津駅を出ると、最初に見えたのは派手な観光地ではなく、山あいの駅前にある余白だった。列車の音を背中にして歩き、大村神社へ向かうと、宝殿や虫喰鐘のような古い記憶のそばに、願掛けなまずという親しみやすい色が現れた。阿保の町では、駅前の生活感と昔からの道がゆっくり混ざっていた。そこからミュージアム青山讃頌舎で水墨の濃淡を眺め、青山ホールでは人が集まり音を生む町の今を思った。最後に青山高原まで視界を広げると、集めてきた看板や木々や建物の色が、伊賀盆地の向こうの空へすっと溶けた。
この旅の足跡
- 伊賀上津駅は山あいの大阪線にあり、ホームの静けさが旅の最初の青になった。列車の音は近いのに、駅前には余白が多くて少し驚く。
- 大村神社には重要文化財の宝殿や虫喰鐘があり、境内には願掛けなまずが並ぶ。木の緑の中に小さな赤や金が見えて、静かなのに楽しい。
- 阿保の町は青山町駅と大村神社のあいだに広がり、駅前の便利さと昔からの町の気配が混ざる。歩いてみると、看板の色まで土地の表情に見えてくる。
- ミュージアム青山讃頌舎は、旧青山町の風景を愛した穐月明の作品を展示する場所。水墨の静かな濃淡を見たら、さっきまでの町の色が少し深くなった。
- 青山ホールは音楽や演劇にも使われる多目的施設で、水曜休館。展示館とは違う、人が集まって音を生む場所の色があり、次は何が開くのか気になる。
- 青山高原は標高約800メートルのなだらかな高原で、展望台から伊勢湾や伊賀盆地を望める。町の細かな色を集めたあと、空の大きさに全部ほどけていく感じがした。