LoqiRoam · 旅日記
水源から星明かりへ
御堂の源流から森、縄文遺跡、峡谷、温泉郷を経て、夜の天文台まで光の変化を追った。
御堂で歩き始め、まず寺と水の近さを確かめた。北上川の源流という事実は大きいのに、そこに残るのは派手な景色ではなく、木陰の温度と細い水音だった。奥中山へ移ると、ブナの間から落ちる光が遊具や道を短く照らした。御所野では、芝の下に縄文の暮らしが重なっている。火や土器の痕跡を知ると、明るい地面が少し深く見えた。馬仙峡では川を挟む岩壁が視界を縦に変え、続く金田一温泉では伝承を包む窓明かりに速度を落とした。最後は街灯の少ない山道を天文台へ向かった。昼の光を拾っていたはずが、終わりには、見えないものを待つ暗さそのものが旅の景色になっていた。
この旅の足跡
- 御堂観音は北上川の源流にあたり、南部氏ゆかりの観音像を祀る。水音を探して歩くと、寺の静けさが急に深く感じられた。
- ブナ林に囲まれたいわて子どもの森は、遊びを通して自然と出会う場所。大人の目には、木漏れ日が遊具より先に道をつくっていた。
- 御所野遺跡では、配石遺構や土器・動物骨などから縄文の営みが浮かぶ。芝の明るさの下に、火を使った時間が沈んでいる。
- 馬仙峡は馬淵川を挟む岩壁の景勝地で、展望台から川の明暗が読める。遠くの山より、谷底の細い光が印象に残った。
- 金田一温泉駅は座敷わらしをモチーフにした意匠で迎える。湯の町の伝説を信じるか迷いながら、夕方の窓明かりだけは確かに温かかった。
- 一戸町観光天文台は一般公開日に夜間開館し、50センチ望遠鏡を備える。街灯のない山道の先で、光を見上げる順番が逆転した。