LoqiRoam · 旅日記

湖を一周しない旅

町の記憶から湖の全景、火山の熱気へ移る寄り道の旅。

出発してすぐ湖へ近づくのではなく、旧洞爺村役場を改修した美術館で、彫刻と古い本の静かな密度に寄り道した。そこからサイロ展望台へ上がると、建物の中で拾った細部が、湖全体の大きな輪郭にほどけていく。高みから戻った先のビジターセンターと火山科学館では、穏やかな湖が噴火と変動の上にあることを知った。湖畔を少し歩いて風を入れ、最後は昭和新山の麓へ。熊の鼻息に身構えたあと、有珠山ロープウェイでさらに上へ逃げる。上空から見ると、今日は名所を並べたのではなく、町、湖、火山の順に視界を曲げてきたのだと分かった。

この旅の足跡

  1. 旧洞爺村役場を改修した建物に、砂澤ビッキの彫刻や国際彫刻ビエンナーレの小型作品が収まっている。湖畔なのに、まず紙と木の気配に足を止めた。
  2. サイロ展望台は洞爺湖温泉の対岸側の高台にあり、湖全体を見渡せる。さっきまで建物の中にいたのに、急に地図を上から覗く感じがして少し可笑しい。
  3. 洞爺湖ビジターセンターと火山科学館は洞爺湖温泉142番地にあり、火山や周辺自然を学べる。映像で噴火を見ていると、穏やかな湖面が急に時間の長いものへ変わった。
  4. 湖畔の遊歩道へ出ると、展示で知った火山の話が足元の水と風に戻ってくる。観光の中心なのに、ベンチの前では誰も急いでいないのがよかった。
  5. 昭和新山熊牧場では餌を持つとヒグマが立ち上がり、「人のおり」では強化ガラス越しに鼻息まで近く感じるという。可愛いだけでは済まない距離感に、少し身構えた。
  6. 有珠山ロープウェイは片道約6分で、山頂駅から約7分歩くと環状のUSU360へ続く。湖と大有珠、小有珠、銀沼大火口を一度に見ると、今日選んだ曲がり角が急に立体になった。
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