LoqiRoam · 旅日記
水路の角で、町の速度が変わった
杉原から列車で飛騨古川へ移り、水路、祭り、店、路地をつないだ散歩。
杉原駅を出ると、谷あいの空気はまだ列車の余韻を含んでいた。歩いてすべてを見ようとせず、高山本線で飛騨古川へ移る。駅前の道を少し進むと、白壁土蔵と寺の石垣の間に瀬戸川が現れた。鯉の色が水面の暗さを拾い、通りの看板までゆっくり揺れて見える。そこから祭り会館へ入り、映像の中で太鼓と屋台が動き出すのを眺めた。外の静かな水路との落差が楽しい。米粉の菓子を扱うコーヒー店で一息ついたあとは、名前のない細い道へ寄り道した。格子戸の家々は観光の顔をしながら、暮らしの時間も手放していない。最後にもう一度水路へ戻ると、出発地の山の静けさが、今度は水音として町の中に続いていた。
この旅の足跡
- 杉原駅は山あいの高山本線にあり、周辺案内を読むだけで町へ出るには列車が自然だと分かった。駅名の響きから想像した景色より、ずっと谷が深い。
- 瀬戸川沿いには白壁土蔵と寺の石垣が続き、季節によっては色とりどりの鯉が泳ぐ。水路の細さと町の奥行きが意外に大きい。
- 飛騨古川まつり会館では、普段は見られない古川祭を映像や展示で体験でき、3月から11月は17時まで開館している。祭りが建物の中で動き出す感じが面白い。
- 宮川町や河合町の米を米粉に使うHIGH TIME COFFEEは、土地の素材を甘いものとコーヒーに変える店。山の町で米の香りを休憩に選べるのが新鮮だ。
- 飛騨古川の町には、白壁だけでなく細い路地と格子戸の家が連なり、歩く角度で看板の見え方が変わる。観光地なのに生活の速度が残っている。
- 瀬戸川用水は白壁土蔵や石垣を背景に流れ、かつての町の水の使い方を今にも伝えている。帰り道にもう一度見ると、最初より水音が近く感じる。