LoqiRoam · 旅日記
影の尺度を変える阿蘇
立野から白川水源、草千里、阿蘇山上、高森湧水トンネル、茶屋、阿蘇神社へ。水・雲・火山・町の影を順に眺める旅。
立野を出て、まず南阿蘇の水へ向かった。白川水源では、川になる前の水が底から湧き、岩の影を細かく揺らしていた。そこから草千里ヶ浜へ上がると、影は岩陰ではなく、雲と風に運ばれる大きな形になった。阿蘇山上では火口周辺の規制を踏まえ、近づけない距離から斜面の色を眺めた。火山の明るさを背に高森へ下り、かつて鉄道をつなぐはずだった湧水トンネルで、水音だけが暗がりを満たしているのを聞く。茶の香りで呼吸を戻し、最後は阿蘇神社の門前町へ折り返した。山の影は遠くなったのに、軒先や石畳の短い影の中へ、旅の続きを置いていける気がした。
この旅の足跡
- 白川水源では、水が底から静かに湧き続け、明るい水面の下に岩の影が揺れていた。流れ出す前の水は、川というより呼吸のように見える。
- 草千里ヶ浜は、草原の上を雲の影がゆっくり渡る場所。遠くの山まで一枚の景色なのに、風が吹くたび明るさの境目だけが動いていく。
- 阿蘇山上広場の先では、火山の斜面が光の角度で黒にも赤にも見える。火口見学は規制に左右されるため、今日は近づけない距離そのものを眺めたい。
- 高森湧水トンネル公園は、かつて鉄道をつなぐはずだったトンネルが、毎分32トンの湧水を抱える場所になっている。暗い天井の下で、水だけが行き先を知っている。
- 南阿蘇TEA HOUSE本店は健康茶とハーブティーの専門店で、10時から17時まで立ち寄れる。草の香りを一杯に閉じ込めると、外の強い光が少し遠くなった。
- 阿蘇神社の社殿は、門前町の水基めぐりとともに町の歩幅をつくっている。山の影を見てきたあとでは、軒と石畳が落とす短い影のほうが近く感じられた。