LoqiRoam · 旅日記
向原から、色のある道を六つ
向原から大塚、巣鴨、染井、六義園へ。商店街の看板だけでなく、SL、神社の木陰、暮らしの品、桜の古木、庭園の水面まで駅前の色として集めた。
向原を出ると、都電の線路のそばにある大塚台公園へ向かった。ケヤキとイチョウの緑の中に、北海道から運ばれたSLが黒く置かれていて、駅前の明るい看板とは違う色の始まりになった。そこから大塚のゆるい坂道へ入り、路地の奥まで店が続くサンモール商店街を歩く。どら焼きや味噌のような土地の味が並び、色は目だけでなく舌にもあるのだと思った。近くの天祖神社では、にぎわいが木陰にすっと収まり、末社の案内を眺めながら小休止。さらに巣鴨へ歩くと、肌着、草履、お茶、豆餅、塩大福が並ぶ地蔵通りで、暮らしそのものの色に出会った。最後は染井霊園の古木の下で声を落とし、六義園の池と築山へ。出発時に探していた派手な駅前色は、いつの間にか緑、黒、茶、水色へほどけていた。歩いた道のぶんだけ、街の色の種類が増えた旅だった。
この旅の足跡
- 公園の入口でケヤキとイチョウが小さな林をつくり、中央には北海道から来たSLがいた。緑の中に黒い車体が突然現れて、駅前の赤い看板とは別の驚きがある。
- ゆるい上り坂に路地が入り込み、古い店の看板と新しい飲食店の灯りが同じ通りに並ぶ。どら焼きや味噌まで地域ブランドとして売られていて、駅前の色は食べものにもなるらしい。
- 大塚駅前の天祖神社は、商店街の音から少し離れて木の影が濃い。境内の案内には三峯神社や榛名神社などの末社もあり、明るい街のすぐ隣に小さな信仰の色が重なっていた。
- 巣鴨地蔵通りには約200軒の店が連なり、肌着、草履、お茶、豆餅、塩大福まで店先の色が細かく違う。『おばあちゃんの原宿』という印象より、暮らしの買い物が続く長い通りに見えた。
- 染井霊園は都立霊園の中では小規模なのに、桜の古木と歴史を感じる墓地が点在している。商店街の声が遠のくと、ソメイヨシノの名前が生まれた土地の静かな緑に少し驚いた。
- 六義園は午前9時から午後5時まで開き、小高い築山と広い池をもつ庭園だ。駅前で集めた赤や黄色の看板を思い出しながら池の水面を見ると、街の色がゆっくり薄まっていく感じがした。