LoqiRoam · 旅日記

駅前の色、城下町の影へ

漕代の静かな駅前から松阪の商店街、商人屋敷、武家長屋、城跡、喫茶店へ移り、町の色の重なりを味わう旅。

漕代駅では、観光地らしい大きな看板より、田畑と住宅の間に伸びる細い道の色から旅が始まった。近鉄山田線で松阪へ移ると、駅前のベルタウンには果物、菓子、食事処の看板が集まり、静かな出発点との違いが一気に見えた。そこから旧小津清左衛門家へ歩くと、今の商店街の先に、江戸店持ちの伊勢商人が使った見世や勘定場が残っていた。商いの明るさを見たあと、御城番屋敷の槙垣と石畳へ向かうと、町の色は急に落ち着いた。しかもそこには今も暮らしがある。最後に松阪公園の石垣へ上がり、駅前の色を遠くから眺め直した。旅の終わりは駅北口の喫茶店。焙煎珈琲の湯気を見ながら、今日は看板だけでなく、商人の部屋、武家屋敷の影、石垣の高さまで拾えたのだと気づいた。

この旅の足跡

  1. 漕代駅のまわりは、派手な観光色よりも田畑と住宅の間にある細い道が気になる。列車を待つ静けさが、今日はどんな色を拾えるかという期待に変わった。
  2. 松阪駅から徒歩1分のベルタウンには約50店舗が集まり、果物店や菓子店、食事処の看板が駅前にぎゅっと並ぶ。思ったより色の密度が高い。
  3. 旧小津清左衛門家は江戸店持ちの伊勢商人の邸宅で、見世の間や勘定場など20余りの部屋が残る。万両箱の話まで出てきて、商いの大きさに驚いた。
  4. 槙垣と石畳をはさんで、江戸末期の武家長屋が静かに続く御城番屋敷。今も人の暮らしがあると知り、展示物だけの歴史ではないことが面白かった。
  5. 松阪公園は松坂城跡の豪壮な石垣を残し、桜や樹齢300年を超える藤もある。高い石垣の上から町を見下ろすと、集めた駅前の色が小さく重なって見えた。
  6. 松阪駅北口すぐの喫茶なかがわは昭和53年開業で、昔ながらの本格焙煎珈琲を7時から味わえる。最後に残った色が、湯気の茶色だったのがうれしい。
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