LoqiRoam · 旅日記

橋を渡り、湯気の向こうへ

江の川の橋と旧街道、自動販売機のうどん、山あいの温泉と城跡の眺望をつないだ。

明塚から出発すると、最初に出会ったのは江の川だった。赤い二連アーチの橋は、山あいの町へ入る門のようで、水面に映る姿をしばらく眺めていた。そこから旧三江線の駅があった町を歩く。線路がなくなったあとも、川本が石見銀山の玄関口として栄えた時間は、通りの静けさに残っていた。昼は自動販売機のうどんでひと休み。旅先で出会う食事は、きれいに整った一皿より、こういう少し意外な温度のほうが忘れにくい。午後は湯谷温泉へ向かい、山の中で湯気に包まれて速度を落とした。最後に丸山城跡へ登ると、川が町を縫うように流れている。三つの小さな発見を集めるつもりが、橋、味、湯、眺めまで、川本の一日は静かに増えていった。

この旅の足跡

  1. 赤い二連アーチの川本東大橋が、江の川の水面にきれいな弧を描いていた。橋は通過するだけのものと思っていたけれど、ここでは町の入口そのものに見える。
  2. 旧三江線の駅があった町を歩くと、線路の不在まで風景の一部になっていた。川本は石見銀山の玄関口だったという話が、静かな通りの奥から聞こえる気がした。
  3. 自動販売機から出てくる昔ながらのうどんに、旅の肩の力が抜けた。華やかな名物ではないのに、道の途中でしか会えない味として妙に記憶に残る。
  4. 湯谷温泉は山あいにひっそりあり、川の旅に温度という新しい輪郭を足してくれた。湯量豊富な源泉かけ流しと知って、景色まで少し柔らかく見える。
  5. 丸山城跡への道は、登るほど町の音が小さくなった。晴れた日は雲海も見えるという高台で、川本を一日で理解するのは無理だと嬉しくなった。
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