LoqiRoam · 旅日記
水面から木漏れ日まで
八ッ場周辺で、暮らし・水面・駅・温泉・峡谷の色を順に集めた。
雁ヶ沢を出て、最初に向かったのは八ッ場ふるさと館。野菜や土産の色、食事の気配を眺めていると、旅は名所を見ることだけではなく、誰かの暮らしのそばに立つことでもあると思えた。そこから八ッ場ダムへ進むと、水面の青と堤体や橋の直線が山の中で大きな模様をつくっていた。景色が急に広がったあと、川原湯温泉駅へ。新しい駅前の明るさの奥に、移転した町の時間が静かに重なっている。王湯で温まり、目で集めた色をいったん休ませた。最後の吾妻峡では、岩の灰色、川の青緑、木漏れ日の黄緑が一歩ごとに変わった。駅前から始まった小さな色集めは、帰るころには道そのものを見つめる旅になっていた。
この旅の足跡
- 八ッ場ふるさと館は、地元の野菜や土産が木の色の店内に並び、ダムカレーまである。水辺へ行く前に、土地の味から色集めを始めるのが新鮮だった。
- 八ッ場ダムの展望場所では、水面の青に橋や堤体の直線が重なる。大きな建造物なのに、山の中では空の色を切り取る額縁のように見えて驚いた。
- 川原湯温泉駅は、山の斜面と新しい駅の明るさが近く、駅前から温泉街へ向かう道に町の再出発がにじむ。移転の記憶はどこに残るのだろう。
- 王湯は約800年の歴史を持つ共同浴場で、10時から18時まで入れる。山の緑を眺めながら湯に入ると、景色の色が体の内側までゆっくり届く気がした。
- 吾妻峡の遊歩道では、灰色の岩、青緑の川、黄緑の木漏れ日が歩くたびに入れ替わる。駅前の色を探していたのに、最後は道そのものがいちばん鮮やかだった。