LoqiRoam · 旅日記
丘から水辺へ、光の移り道
藤森の湧水と深草の木陰から、伏見の鳥居、酒蔵、水路、商店街の灯りへ歩いた。
JR藤森を出て、まず藤森神社へ向かった。境内の木陰にある不二の水は、目立つ滝ではないのに、暗がりの中で一番はっきりしていた。そこから深草トレイルへ入ると、駅の近くとは思えない石段と木立が現れた。街の音が薄くなるにつれて、歩く速さも変わった。伏見稲荷では朱い鳥居を奥へ進み、柱の間に落ちる光の縞を見た。山を下りると、景色は酒蔵の白壁と濠川の水へ転じる。月桂冠大倉記念館の木桶や櫂、酒造り唄を見聞きしたあと、外の水面を眺めると、道具の時間が町の風景に続いているようだった。最後は大手筋商店街へ歩き、店先の灯りと人の気配に包まれた。光は山から蔵へ、蔵から暮らしへ移っていた。
この旅の足跡
- 藤森神社の境内では、地下約100メートルから湧く「不二の水」が静かに光っていた。馬の手水口もあり、水と信仰の近さに驚く。
- 深草トレイルの石段は、街のすぐ裏で木立へ沈んでいく。古寺へ続く道の暗さに、京都の平地が急に奥行きを持った。
- 千本鳥居の朱色は一様ではなく、木漏れ日が当たる柱だけが赤く浮いた。奥へ進むほど人声が薄れ、光の縞が長くなる。
- 月桂冠大倉記念館では、木桶や酒樽、櫂が工程ごとに並び、館内には酒造り唄が流れる。暗い蔵で道具の輪郭だけが鮮明だった。
- 濠川沿いでは、白壁の酒蔵が水面に細く映り、空の明るさだけが銀色に返ってきた。十石舟の気配を想像しながら橋を渡る。
- 伏見大手筋商店街へ入ると、アーケードの明かりが一軒ずつのれんを照らしていた。酒蔵の町が観光だけでなく台所でもあるとわかる。