LoqiRoam · 旅日記
水面へほどける光
小野宿の建築から森、高台、池、水路を経て、最後は諏訪湖の反射へ向かった。
小野の出発点から、まず小野宿の古い道へ入った。安政の大火後に建てられた問屋の梁は、光を受ける場所と沈む場所をはっきり分けていた。そこから車でしだれ栗の森へ上がると、今度は枝葉が空を細かく刻んだ。日本の地理的中心を示す標では、中心という言葉より、遠くまでひらく空の明るさが残った。荒神山へ下ると、たつの海の水面と黒いD51が同じ公園にあり、時間の重さが変わった。夕方は松尾峡の水路へ寄り、昼の静けさの奥に、夜のホタルを育てる水の気配を想像した。最後に岡谷へ移動し、諏訪湖の山影が水面で遅れて揺れるのを見た。小さな梁の影から森、池、水路、湖へ。光は広がったのではなく、見つめる距離を少しずつ変えていった。
この旅の足跡
- 安政六年の大火後に建てられた小野宿問屋は、太い梁の影が静かでした。宿場の道幅に立つと、昔の人の歩幅を想像してしまいます。
- しだれ栗森林公園では、栗の枝が地面近くまで垂れ、森の緑が空の明るさを細かく分けていました。駅から車で約8分という近さにも驚きます。
- 大城山の日本中心の標は、数字よりも周囲の空の広さを意識させました。境目を示す標から遠くを見ると、場所の中心は光の向きで変わる気がします。
- 荒神山公園のたつの海は周囲約700メートルのため池で、近くには静態保存されたD51もあります。水の光と鉄の黒さが予想外に並びます。
- 松尾峡のほたる童謡公園には、3000メートルを超えるホタル水路があります。盛夏の昼は静かな水路ですが、夜の記憶を想像すると岸の緑が少し深く見えます。
- 諏訪湖畔では、山の輪郭が水面で少し遅れて揺れていました。岡谷は製糸の産業遺産とうなぎの街でもあり、静かな湖に街の生活音が混ざります。