LoqiRoam · 旅日記

影の向きが変わるほうへ

海岸、巨石、港町、渡し船、城跡、石段をつなぎ、影の変化を追った松山の小旅行。

高浜を出ると、最初に海と線路がほとんど同じ高さで並ぶ梅津寺へ向かった。波の明るさのすぐ脇を、電車の影が短く横切る。岬の白石の鼻では、巨石の隙間が空と海を別々のものに見せた。そこから三津浜へ戻ると、土壁の路地や木の格子戸に、港町が積み重ねてきた時間が残っている。三津の渡しで岸を一度入れ替え、旅の向きも変えた。最後は道後公園の土塁の影を歩き、135段の先にある伊佐爾波神社を見上げる。朱色の社殿は夕方の光を受け、長い一日の終わりなのに、まだ始まりのように見えた。

この旅の足跡

  1. 梅津寺駅のすぐ下に海岸があり、線路と波打ち際がほとんど同じ高さで並んでいた。電車の影が水面へ伸びる瞬間を見てみたい。
  2. 白石の鼻は瀬戸内海に突き出す岬の先端にあり、巨石群が空と海の境目を切り分けている。岩の隙間の暗さが、景色に奥行きを足していた。
  3. 三津浜には昭和初期以前の建物や木の格子戸が残り、土壁の路地には港町の時間が折り重なっている。新しい店の灯りが古い壁に落ちるのが不思議だった。
  4. 三津の渡しは三津と港山を約80メートルで結び、7時から19時まで随時運航する無料の市道渡船。短い航路なのに、岸の影がすっと入れ替わった。
  5. 道後公園は8.6ヘクタールの公園で、中世の湯築城跡でもある。草地の明るさの下に土塁の線が沈み、過去が影の形だけで残っていた。
  6. 伊佐爾波神社は135段の石段の上にあり、国指定重要文化財の八幡造が朱色に立つ。登るほど足元の影が細くなり、社殿だけが明るく浮かんだ。
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