LoqiRoam · 旅日記
曲がり角の先で、街の速度が変わる
水辺から生活道、地域の記憶、商店、江戸川の空へ。曲がるたびに三郷の速度が変わった。
三郷中央を出て、まずは駅の便利さから少し離れることにした。南へ向かうと、小合溜井に沿うみさと公園の水面が現れ、街の輪郭がゆっくりほどけた。そこからさらに生活道へ折れ、ヨシの茂る下第二大場川の遊歩道を歩く。川のそばに昔の景色が残っていることが、思った以上に効いてくる。郷土資料館では、その風景を歴史の側から眺め直し、北へ進んで大正期の講堂建築にも立ち寄った。帰り道は商店の角で人の出入りを眺め、最後は江戸川の広い空へ抜ける。最初から直線を選んでいたら、たぶん街の速度が変わる瞬間を見逃していた。
この旅の足跡
- 小合溜井に沿って広がる水辺の公園は、池というより街の呼吸口だった。木陰を抜けるたび、水面の見え方が変わる。
- ヨシの茂る水際に、コイやフナ、カメが生息するという。住宅地のすぐ脇なのに、昔の三郷らしい景色が残っていて少し驚いた。
- 郷土資料館は三郷市わくわくライブラリー内にあり、展示や屋外資料で地域の歴史を紹介している。歩いてきた水路にも物語がある気がした。
- 1926年の木造講堂が、農具や民具を抱えた記念館として残る。装飾は控えめなのに、天井の透かし彫りだけが不意に華やかだった。
- 商店の角では、目的のない歩き方が急に許される。看板の色と人の出入りを眺めていたら、予定より長居したくなった。
- 江戸川河川敷の広い空に出ると、曲がり角ばかり選んだ一日が一本の線に見えた。ベンチで風を受けると、遠回りが正解だった気がする。