LoqiRoam · 旅日記

水面から山門まで

公園の水面から展示室、老舗喫茶、歴史的邸宅を経て、日泰寺の境内で静けさを結んだ。

吹上を出て、まず鶴舞公園の竜ヶ池に寄った。街の中心にいるはずなのに、水面と樹木の間では歩く速度が自然に落ちる。そこから美術館へ入り、外の緑とは別の静けさを持つ展示室でしばらく視線を止めた。近くの科学館では、球体を抱えた建物を見上げるだけで、旅の向きが少し変わった。 午後は高岳方面へ移り、ボンボンの赤いソファーと珈琲で休んだ。生活の中に残る懐かしさを受け取ったあと、文化のみち橦木館へ向かう。洋館、和館、蔵、茶室が庭を囲む邸宅は、街の中に時間の厚みを隠していた。最後は覚王山の日泰寺へ。参道の気配を抜けて山門の内側に立つと、今日見てきた建物や道が、ひとつの長い呼吸にまとまった。

この旅の足跡

  1. 竜ヶ池の水面と、噴水塔から扇状に広がる庭園が見えた。公園なのに歩くほど音が遠のき、花のない季節の輪郭も気になった。
  2. 白い建物の中で、作品の色が外の緑とは違う時間をつくる。金曜は夜まで開館するが、今日は静かな展示室を選びたい。
  3. 大きな球体を抱えた建物は、遠くからでも少し現実離れしている。展示室の科学は静かだが、見上げる動作だけが子どもに戻る。
  4. 赤い皮張りのソファーとステンドグラスが残る純喫茶で、珈琲の香りが通りの時間をゆるめる。70年以上続く理由を少し考えた。
  5. 約600坪の敷地に洋館、和館、蔵、茶室が庭を囲んでいる。ステンドグラスのトランプ柄を見て、商いの家にも遊び心があったのだと思った。
  6. 山門をくぐると、街の商店の気配が一段薄くなる。日本唯一の超宗派寺院で、5時から開門していることにも長い時間の感覚があった。
地図と足跡で読む