LoqiRoam · 旅日記
十日町、看板の向こうへ
博物館から現代アート、古民家通り、里山、棚田、渓谷へ、看板と小道を手がかりに十日町の時間をたどった。
十日町駅を出て、まずTOPPAKUで火焔型土器、織物、雪と信濃川の話を覗いた。街を歩く前に土地の声を少し聞いておくと、何気ない案内板や軒先まで違って見える。次にMonETへ移ると、越後妻有の風土を扱う作品と、棚田米や菓子が並ぶショップが同じ建物にあり、アートが暮らしから離れていないことに気づいた。そこから公共交通で松代へ向かい、ほくほく通りの再生古民家を一軒ずつ眺めた。農舞台では作品を探しながら田畑の間を歩き、やがて星峠で、景色を見ることにも地元の道と私有地への配慮が必要だと知った。最後の清津峡では、750メートルのトンネルと水鏡が、街から里山までの寄り道を大きな岩壁の中へ静かに収めてくれた。
この旅の足跡
- 国宝の火焔型土器だけでなく、織物と雪と信濃川まで同じ展示室でつながっていた。土器の尖った縁を見たあと、街の看板も土地の記憶を背負っているように思えた。
- 大きな回廊の内側に、越後妻有の風土を映す現代アートが置かれている。ショップには棚田米や地元のお菓子も並び、作品と暮らしの境目が思ったより近い。
- ほくほく通りには、再生された古民家が約13棟並ぶという。新しい店の看板の隣に昔の軒先が残り、歩くほどに家の正面が一軒ずつ違う表情を見せてくれた。
- 農舞台から始まるフィールドミュージアムには、田畑の間に約30のアートが点在する。作品を探して坂を曲がると、鑑賞より先に風と生き物の気配が届いた。
- 星峠の棚田は大小約200枚が魚の鱗のように斜面を埋める。集落内の道は狭く、私有地でもあるので、景色へ急がず、案内と暮らしの境界を尊重して立ち止まった。
- 清津峡渓谷トンネルは全長750メートルで、四つの見晴所から岩肌と清流を安全に眺められる。最奥の水鏡に立つと、ここまで拾ってきた看板や道が一枚の風景にほどけた。