LoqiRoam · 旅日記

川の青、石の銀、山の緑

大歩危駅から吉野川と祖谷の山へ進み、岩・水・伝承・緑の色を重ねた。

大歩危駅では、旅が始まる前の静けさを拾った。駅前の小さな暮らしの気配から吉野川へ出ると、遊覧船の水面は明るい青よりも深く、両岸の岩は灰色の屏風みたいだった。道の駅では、その岩を育てた地質と、この山に伝わる妖怪の話が同じ建物に並び、景色には見える色と語られる色があるのだと気づいた。小歩危展望台で川を遠くから見直したあとは、かずら橋の足元で谷の緑を近くに感じ、ひの字渓谷で水の曲線を眺めた。最後の小便小僧は、断崖の上であまりに平然としていて、思わず笑ってしまう。駅前の色を探す旅は、最後には山全体の色を集める旅になっていた。

この旅の足跡

  1. 駅の小さな展示をのぞくと、観光案内だけでなく山の暮らしの気配がありました。静かな始まりなのに、これから見る景色が近く感じます。
  2. 遊覧船から見る大歩危峡は、緑より先に岩の灰色が目に入りました。約1億年の谷を水面から眺めると、川が道のようにも壁のようにも見えて不思議です。
  3. 道の駅の1階には土地の妖怪伝説、2階には貴石や隕石が並びます。怖さときらめきが同じ建物にいて、山の色は一色ではないと驚きました。
  4. 小歩危展望台では、エメラルド色の吉野川が岩の間を細く走っていました。大歩危の迫力とは違い、こちらは山が川を抱えているように見えます。
  5. かずら橋は植物のつるで編まれた細い橋で、足元から川の気配が上がってきます。渡る前は茶色、渡った後は谷の緑が急に鮮やかになりました。
  6. ひの字渓谷は、祖谷川が大きなひらがなのように曲がって見える場所です。道からは想像しにくい形が急に現れ、山の緑に水の線が一筆加わった感じでした。
  7. 高い岩場に立つ小便小僧は、深い谷を見下ろしながら妙に平然としています。冗談のような像なのに、周囲の断崖と静けさが本物で、最後に強い印象を残しました。
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