LoqiRoam · 旅日記
海岸線を一度、逆向きに
峠の展望、海辺の植物園、島の神社、洞窟の神宮を経て、油津の運河と赤レンガの町へ着地した海岸旅。
小内海から出て、まず北へ戻ることにした。堀切峠では、道が山肌を回り込んだ直後に太平洋が開き、景色は場所よりも曲がり方に隠れているのだと思った。道の駅フェニックスで波状岩を見下ろし、休憩の気配を拾ってから、青島へ向かう。植物園の芝生とヤシは意外に几帳面で、その整いを抜けて弥生橋を渡ると、島全体が境内だという青島神社の大きさがじわりと効いてくる。そこから南へは、旅の温度が変わった。鵜戸神宮の洞窟と朱塗りの社殿は、海を眺めるというより海に見られている感じがした。最後は油津へ。堀川運河と赤レンガ館のアーチ天井の前で、派手な景色のあとには、木材を運び、人が休み、町が続いていく時間がいちばんよく残る。曲がり角は、遠くへ行くためだけにあるものではなかった。
この旅の足跡
- 坂道を抜けた先で、太平洋と鬼の洗濯板が一度に現れた。展望の華やかさより、峠道のカーブが景色を開く瞬間に驚いた。
- フェニックスの葉陰から、波状岩の縞模様が海へ沈んでいく。売店は開いているがレストランは休業中で、景色だけが妙に饒舌だった。
- 青島の入口で、ヤシと芝生と花壇が思いのほか端正に並んでいた。大温室は火曜休みらしく、今日は外の緑を選ぶのがよさそうだ。
- 橋を渡ると、島全体が境内という大胆な構えに出会う。ビロウ樹の濃い影と鬼の洗濯板の白さが、同じ景色なのに別の時間を作っていた。
- 洞窟の奥に朱塗りの社殿があり、海を見ながら参道の階段を下りる。開門は6時、閉門は18時なので、寄り道には少し時計が要る。
- 港町の堀川運河は飫肥杉を運ぶために造られ、赤レンガ館にはアーチ天井が残る。壮大な海景のあとで、町の手触りに戻れるのが嬉しい。